REPORT

3/2 空き家の未来学ゼミ実施レポート

2018年3月2日

『空き家見学会の舞台裏』

 

15:00~16:00

 

「その魅力と苦労と可能性」

【講師】倉石智典((株)MYROOM代表)

 

16:00~17:00

 

「リノベーションが街のくらしの経済を変えられるのか」

【対談】倉石智典((株)MYROOM代表)

武者忠彦(信州大学 経法学部教授)

コーディネーター:築山秀夫(長野県短期大学 教授)

 

※13:30~14:50特別研究発表会

武者ゼミナール「地域とつながるリノベーション」

 

 

 

「空き家見学会」の舞台裏について、倉石さんが考えるその魅力と苦労と可能性についてお話いただいた前半の講演部分。

 

大家さん、借主双方へのプロモーション機能

空間(空き家)体験機能

エリア・建物にまつわる世界観の合意形成機能

参加者のデータ収集機能

 

など、さまざまな側面から空き家見学会を解剖(?)してくださいました。

 

家賃も条件も何にも説明しない門前の「空き家見学会」ですが、単にまちや建物の歴史に思いを馳せながら使い方を妄想する「わくわくほっこり体験会」とおもうなかれ。(←それも重要ですが)

 

その裏にはびっくりするくらい綿密な下準備と戦略がありました。

 

でも一方で、ハンティングする空き家の「いい顔」を見分けるポイント(見立て法)を紹介する際、「いい顔してるんですよねぇ」と話す倉石さんのうれしそうな表情……!

 

いろいろ難しい戦略もあるけれども、やっぱり倉石さんの一番の強みはこんな風に空き家を語れるモチベーションなんじゃないかなと思ったりもしました。

 

これまでは、モノがない、道がない、など「ない時代」のなかで「まちをつくる」という部分に焦点が当たっていましたが、今現在とこれからは「ある時代」。

 

もはやまちは「つくる」ものではなく、あるものを「つかう」ことにシフトしている、というお話から、次回(最終回)はこの「まちづかい」について未来のまちのありかたの模索へと繋がっていきます。

 

最終回だけの参加も大歓迎。

 

興味を持たれた方はぜひお越しくださいね。

 

 

***

 

事前に行っていた信州大学武者ゼミ学生らによる発表「地域とつながるリノベーション」では、佐久、木曽、諏訪、松本の事例を紹介するとともに、それぞれに関して「地域とつながるポイント」も提示してくれました。

 

それぞれの事例と善光寺門前の事例。どのような共通点があり、異なる点があるかを、倉石さんの講演内容もふまえて武者先生が対談時に解説してくださり分かりやすかったです。

 

特に、それぞれが個々に行っているリノベーションと、計画的にトップダウンで行われる都市計画の中間的な位置に善光寺門前の事例は位置しており、それを「戦術的なまちづくり」と表現されていた点が参加者の方々からのアンケートでも感想に多く挙がっていました。

 

一般的なPDCA(計画・実行・見直し・動く)サイクルではなく、想定外のことに臨機応変に対応しながら前進していくOODA(見る・理解する・決める・動く)サイクルでMYROOMによるエリアリノベーションは行われているのかもしれませんね、と言うお話に、1回目の内容を踏まえて大きくうなずいてしまった会場でした。

 

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参加者:81人