秋の旬探しツアー
2022年9月22日
10:00~12:30
参加者:11人
【コース案内】
門前には、長野県の特産品や旬のおかず、そして、季節ごとに違う表情をみせてくれる風景があります。
季節限定の美味しいものや秋の風景を探しながら、門前のまちなみを歩きます。
秋風に吹かれながら、一緒にのんびりしましょう。
【案内人】
篠原晶子(みて!みて!こんなのあるんだよ展 主催)
長野の特産品「紫花豆」や旬のフルーツ、採れたて野菜をこよなく愛す長野県民。季節の保存食や常備菜・ジャムなど長野の食の魅力をみなさんにお伝えしたく、日々活動しています。
【コース】
楽茶れんが館
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門前農館さんやそう
おやきが有名なさんやそうさん。旬のお惣菜や長野県特産品も充実の品揃えです。朝採れ野菜やフルーツにめぐりあえたらラッキー。
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青木写真館
昭和2年より続く青木写真館さん。衣装室も佇まいがあり、県の重要文化財になっています。
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地蔵館 松屋旅館
仲見世通りに建つ松屋旅館さんは善光寺に一番近い宿として有名です。秋の仲見世通りを満喫しましょう。
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伊勢町包子
包子を作り続けて30年。店主の作る包子は、どの味も天下一品の美味しさです。包子以外のラインナップも自信を持ってオススメします。
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シフォン&ケーキ菓恋
素材の味を大切にした体に優しいシフォンケーキ店。シフォンケーキもさることながら、店内の工芸品テーブルも必見です!
解散後、お時間がある方は、こちらでひとやすみ(オーダーをしてくださった方に店主様からお楽しみがありそう)
※食品を購入される方は実費が必要です
本日のまちあるきは 、篠原晶子さん(みて!みて!こんなのあるんだよ展 主催)の『秋の旬探しツアー』。
季節限定の美味しいものや秋の風景を探しながら、門前のまちなみを歩きます。
まずは一ヵ所目の「門前農館さんやそう」へ。
篠原さんいわく「子芋の煮っころがしやお惣菜類が豊富」なこちらのお店。
お惣菜のラインナップは、その日に揃った食材をその日に出勤した人が見て決めるんだとか。
旬の食材を一番おいしい調理法でいただけるなんてぜいたくですね~
各種食材も豊富で、特にずらりと並んだお豆は篠原さんのイチオシ!
“お豆天国の長野”のなかでも「むらさき花豆」は標高800m以上でしか栽培できない希少な豆で、県内では30~40の農家しか栽培しておらず、まちなかで見かけるものは主に自家用のおすそわけ品だそうです。
(篠原さんは見かけたら毎年購入)
「茅野の角寒天」や「どんこしいたけ」もおすすめ。
旬のお野菜を詰め込んだおやきも種類が豊富で、今の季節はシャキシャキ触感がたまらない「みょうがのおやき」、これからの季節は「りんごのおやき」なんかも美味しいらしいですよ~
目移りが止まらない店内を後にして、善光寺さんに向かって北上。
仁王門の東側の角にあるのが、明治36年にできた建物をリノベした「青木写真館」のメイク&衣装室。
こちらで花嫁さんや成人式の着付けやメイクを行い、
こちらの本館スタジオ(昭和8年創業)で撮影します。
さまざまな人生の節目が飾られるこちらのショーウィンドウも、篠原さんが四季を感じる「旬」な街角のスポット。
お向かいには、国の有形文化財に登録されている「日本で唯一の等身大(166cm)涅槃像」が祭られている「世尊院」もあります。
こちらのお釈迦さまは西向いの「松屋旅館」を向かれているのですが、
実は300年前はこの場所に善光寺御本尊が祭られており、現世のお釈迦様が来世の善光寺さんを向いて亡くなった様子を表しているのだとか。
ちなみに現在祭られているお地蔵さまは、仁王門の仁王像と同じく彫刻家の高村光雲と弟子の米原雲海の作品だそうです。
四季折々の善光寺さん界隈を一望できるスポットなので、善光寺を訪れる際はぜひセットでのお参りがおすすめ◎
仁王門から西へ進んだ先にある「伊勢町包子(ぱおず)」は、包子を作り続けて30年の御店主が作る本格中華まんやつけめんがオススメのお店。
あいにく当日は御店主の怪我で実物を見られませんでしたが、お店一押しの中華まんは「エビチリまん」。
篠原さんの一押しはエバークリームとコンデンスミルクを使った濃厚な「クリームまん」で、つけめんもモチモチで大変美味だそうです。
ここまで聞いて食べられないなんて…御店主の復帰が待ち遠しい!
さらに西へ歩いたところにある交差点で立ち止まる篠原さん。
「ここから遠くに見える山なみも四季折々を感じてとっても好きな眺めなんです。」
春の芽吹きや夏の力強い緑、秋の紅葉に冬の雪など、色とりどりの四季が見られそうですね。
交差点を南に曲がったところにある「パティスリー・カズーリー」は、ケーキや焼き菓子が人気のお店で
いつの間にか焼き菓子の自動販売機も登場していました!!
時間に余裕があったので道中の西宮神社へお参り。
およべっさんの銭洗いスポットでは、「お札も洗えるのかな~」という参加者の素朴な疑問に篠原さんの仰天マル秘エピソードが飛び出し一同で大爆笑でした。
さらに岩石町へ寄り道。
篠原さんがとても気になっているのにまだ行けていないという「成満堂(せいまんどう)」。
こちらのとんかつはじっっくり余熱で火を通す調理法で提供時間はかかるけれど、とにかくそのおいしさで話題のお店だそう。
ご近所の「虎小路」へ。
こちらには小路の由来になった「虎が塚」があり、現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物「曽我十郎・五郎兄弟」が祭られているそうです。
「旬」な話題ですね◎
東町にさらに南下して、昨年12月にオープンした「Mallika Brewing クラフトビールカフェ」へ。
関東出身で2年間かけて100カ国以上を旅したオーナーご夫妻が、赤沼の台風災害ボランティアをきっかけに長野に惹かれて移住したことかた誕生したこちらのお店。
1階では信州産の四季折々のフルーツを使ったクラフトビールを醸造し、2階では昼と夜のカフェ営業をされています。
今の季節はカフェでワッサーを使ったビールを提供中だとか。日本各地のクラフトビールも扱っていらっしゃるそうです◎
オーナーの伊東さん。
昨年8月から物件を借り、オープンの12月まで自分たちで少しずつDIYして今の姿に至るそうです。
「1つの樽でどのくらいの量が醸造できるか」など、参加者からの質問にも気さくにお答えいただきました。
(解答:1樽400ℓ。お風呂2杯分で瓶ビール換算だと1200本)
カフェは平日は14時、日曜日は12時から営業されているそうです。
最後は「シフォン&ケーキ菓恋」へ。
こちらは平飼いで育てた鶏の新鮮な「こだわり卵」を贅沢に使い、ベーキングパウダー不使用にもかかわらずしっとり&ふわふわなシフォンケーキが人気のお店。
一切れずつ試食のサービスをいただきました。
驚くほどふわふわでしっとりなめらかな食感…
(このあとレジには行列ができました)
お店の奥は広い飲食スペースが広がり、ドリンクなどもセットでゆっくりシフォンケーキや焼き菓子をお楽しみいただけます。
オーナーこだわりのヴィンテージ家具やランプも素敵でした◎
「旬」をテーマにご案内いただいた本日のまちあるき。
篠原さんの視点を通じて体感した食材や街角の一コマ、景色を通じて「知ってたつもりのまちの新たな一面を見つけた」と参加者の方がおっしゃてくれた一言がまさにぴったりな内容でした。
(同行:大日方)
古地図で探索、「西鶴賀町」のはじまり
2022年9月18日
13:00~15:00
参加者:11人
【案内人】滝沢洋将(つばめタクシー㈱代表取締役)
静岡県富士宮市出身。15年前、結婚を機に信州へ移住。まちの歴史や地理、周辺の山々にある植物や地質を調べると、地域ごとの特性や違いがあることに気づきました。そのまちにある趣のある神社仏閣、パン屋や地酒も楽しんでいます。
【コース案内文】
ノスタルジックな商店街がある事で知られている西鶴賀町。
9月18日は、西鶴賀町のお宮で秋祭りが開催される日です。
明治時代の古地図を片手に周辺の町から西鶴賀町へと巡り、住人のお話を伺いながらこの町のはじまりから現在に至る過程を探っていきます。
※距離や時間がかかります。歩きやすい靴でお越しください。
※当日の状況により、住人のお話を伺えない場合もあります。
【コース】
楽茶れんが館
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まちの水源を探る
江戸時代、西鶴賀町周辺は肥沃な土地(権堂田んぼ)として知られていました。その水源、鐘鋳川周辺の見所を紹介します。(武井橋跡・七ツ釜落し)
↓
権堂繁盛記
西鶴賀町設立に重要な役割を果たした権堂町を、今に残る小路・お寺、当時の有名な料亭跡と併せて紹介します。(田面稲荷神社・裏権堂・富貴楼/青雲亭跡)
↓
明治11年の事
鶴賀新地(遊郭)の開業から東・西区の分離、現在に至る町の変遷の紹介や、お祭りが開催されている竹山稲荷神社を参拝します。(秋葉神社・東鶴賀町・竹山稲荷神社)
↓
9軒長屋C9
まちの新たな取組として、ながの建築士会様、まちづくり長野様の取り組んでいる9軒長屋でティータイム。明治時代の工法跡も見られます。
本日のまちあるきは滝沢洋将さん(つばめタクシー株式会社代表取締役)の『古地図で探索「西鶴賀町」のはじまり』 。
古地図を片手に周辺の町から西鶴賀町へと巡り、町の始まりから現在に至るまでの過程を探っていきます。
まずは、楽茶れんが館とその周辺の歴史について。
楽茶れんが館の内壁と外壁でれんがの積み方が異なることをお聞きし、みなさん壁をまじまじと観察されていました。
たしかに内壁はざっくりと積まれているのに対して、外壁は重厚感と華やかさを併せ持ったきれいな積み方をされていることが分かります。
ご近所の八十二銀行大門支店前では、善行寺周辺で使用されている岩石について説明してくださいました。
こちらの建物には6000万年前の花崗岩である「白御影石」が使用されています。
続いて武井神社へ。
この神社と西鶴賀には深い関わりがあることが玉垣から分かるそうです。
ということでみなさんで玉垣を一つ一つ見ていると、発見しました!「西鶴賀町」と書かれた玉垣が!
この近くには「鐘鋳川」という川が流れており、江戸時代には用水として改修され西鶴賀を含む様々な場所へ分水していたそうです。
当時は普通に飲み水としても利用しされていたとか。(一同驚愕!)
武井神社はこの鐘鋳川の水を西鶴賀へと流す上で重要な地点にあり、西鶴賀との深い関わりが分かりました。
お次は東町と権堂町の間を流れる鐘鋳川用水の真上へ移動して、明治時代の上水道事情について解説していただきました。
明治時代に入ると用水の衛生上の問題が挙げられ、鐘鋳川の飲料が禁止されました。赤痢菌やジフテリアといった致死率30%の病原菌が蔓延したことが原因です。
そのため住民たちは「戸隠メノウ沢」を水源とした堰や導水管の設置を計画し、資金不足や近隣住民とのいざこざなどを経て無事に飲み水を確保するに至りました。
飲み水の確保に奔走した先人たちのお話をみなさんじっくりと聞いていました。
次に案内していただいたのは、権堂アーケードにつながる路地、いわゆる「裏権堂通り」。
大通りを挟んで西側が「表権堂」、東側が「裏権堂」と呼ばれているようです。
かつての歓楽街の様子が今も残る、なんとも言えないdeepな雰囲気が漂う路地でした、、、!
権堂町は弘化4年(1847年)に起きた善光寺地震の翌年には復興が始まり、そこから急速に町が栄えていきます。
そこには「水茶屋」という売春を伴うような背景があり、幕府から差し止め要請も出たものの、さらに明治の「鶴賀遊郭」開業へとつながったとか。
1つの場所にも様々な歴史、背景があることに感心してしまいました!
その権堂町の代名詞「権堂アーケード」を東へと進みます。
この通りの中ほどには、かつて「富貴楼(ふきろう)」や「青雲亭(せいうんてい)」と呼ばれた高級料亭があったそうです。
大正10年には「政友会北信八州大会」という会合の大懇親会が行われたそうで、なんと!約400人を収容すべく富貴楼と青雲亭の壁を打ち通して繋ぐことで宴会場を準備したとか!
宴会のために、お店の壁を壊すなんてそう簡単にできることではありませんよね!
当時の方々の熱い気持ちがとても伝わってきます!!
写真:長野市権堂町史より抜粋
このアーケードをさらに東へ進むと見えてくるのが「秋葉神社」です。
この神社、実は二度も移転しているそうなんです!
一度目は善光寺地震による火事での焼失。
二度目は「新地ロード(※)」と呼ばれる道路の直線化により現在の位置に至りました。
※「新地ロード」とは
ここからさらに東に進んだ現在の「西鶴賀通り」をさします。
この「新地ロード」の先には、明治11年に秋葉神社から5丁離して隔離されるような状態で開業した「鶴賀遊郭(現在の東鶴賀町)」がありました。
集まってきたのは、近場に開通した電車にで運ばれてくる山村の貧しい女性たち。
独自のルールによってれんが塀で覆われた敷地からは一人で外出することもできず、借金を返せぬまま一生を終える暗い歴史が繰り返されました。
ですがその後、終戦に伴い人権運動が強まり昭和33年に遊郭は終焉となりました。
ちなみに「富貴楼(ふきろう)」や「青雲亭(せいうんてい)」跡地では、当時の町の様子を知る参加者の皆さんでの話も盛り上がりました!
このまちあるきを通して出会った皆さんと、「町の話」をきっかけに交流が生まれる。
素敵すぎませんか!!
生き生きと話している皆さんを見て、私まで思わず笑顔になってしまいました☺
そしてまちあるきはいよいよ「西鶴賀町」へ。
まずは町の歴史と滝沢さんが社長を務めていらっしゃる「つばめタクシー」のお話を伺いました。
昔の街並みを踏まえた説明に、
「ここに昔○○があったよね~」
「そうですね。とても懐かしいですね。」
と、まちの話題でまたまた意気投合する参加者一同。
古き良き街並みが残る西鶴賀町ですが、時代の経過とともに空き家である「遊休不動産」の増加も目立つように…
そこで新たな取り組みとして「遊休不動産活用事業」の「西鶴賀エリアリノベーション」と呼ばれる取り組みが始まり、9軒の長屋の一角(C9)を拠点にさまざまな活動が展開されています。
最後は滝沢さんから地元・静岡県の銘茶とお菓子をご提供いただきティータイム。(ありがとうございます!)
普段なかなか頂けないお茶は、全員唸るおいしさでした。
参加してくださった方々は和やかな雰囲気の中、まちのことだけでなく色々な話題で盛り上がっていました。
新たな交流が生まれ、まちだけでなく人について知ることのできるまちあるき。
まだ参加されてない方は、ぜひ足を運んでみてはいかがですか?
滝沢さんありがとうございました!
(記事:奥田・小林・岸田・藤島/写真:赤塩)
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