REPORT

門前の鬼無里

2020年9月18日

2020年9月18日(金) 15:00~17:00
案内人:羽田 稔(長野市企画政策部企画課)
参加人数: 6名
プロフィール
鬼無里支所勤務をきっかけに3年前に鬼無里に移住。自然、歴史、動物、暮らし…。鬼無里の奥深い魅力は尽きることなく、日々教えられています。
コース案内
善光寺から裾花川沿いの国道406号を西へ約20km。かつて、安曇、戸隠、小川、松代方面の街道が交差する交通の要衝として栄え、物資の集散地であった鬼無里は、昔も今も善光寺門前と深いつながりがあります。門前で味わえる鬼無里ゆかりのスポットを訪ねます。
コース
楽茶れんが館…旧信濃中牛馬合資会社社屋。鉄道ができる前、地域間の貨物運送に牛馬が活躍していました。

八幡屋磯五郎本店…初代・室賀勘右衛門さんは鬼無里出身。江戸中期、善光寺門前で七味唐辛子の販売を始めました。

「裾花峡」石柱…昭和2年「日本百景」に選定された裾花川沿いの裾花峡。記念の石柱が鬼無里街道の東の起点、仁王門脇にあります。

いろは堂善光寺仲見世店…鬼無里を代表するおやき屋さん。今年5月に善光寺仲見世店オープン。門前で美味しいおやきを味わえます。

タカギデザイン事務所…鬼無里の魅力を温かいイラストで表現してくれるデザイナーさんの事務所。今年の鬼無里観光ポスターも好評です。

おでん家ひろびろ…権堂アーケードを過ぎて、西鶴賀の路地裏にあるおでん店。気さくな店主との鬼無里談義でリラックス。

当日はあいにくの雨予報。
お昼ごろからやんだり降ったりと不安定なお天気の中での出発となりました。
れんが館内で明治時代から牛馬の社屋として利用されていたお話や鉄道の発達で徐々に運送の形態が変わったことをお話してくれました。
早速、八幡屋磯五郎本店へ向かいます。
八幡屋磯五郎本店に到着すると、室賀社長から直々に鬼無里と室賀家のつながりについてお話をお聞きしました。

室賀社長の室賀家は上田にある本家からの分家だそうで、先代は竹田藩についたがうまくいかず、鬼無里へ移住したそうです。
鬼無里では江戸時代以降に麻の栽培が盛んで賑わっており、仁王門から西山へ続く道の両脇には長く商店が連ねていたそうです。
麻のみが七味に使え、元々は薬として服用されていた七味を長野にも持ち込み、七味、つるや酒饅頭などと並ぶ善光寺7名物のひとつとなりました。
先代は鬼無里に住まれて麻と七味調合したものを卸していたとのことで、3代目から桜枝町に引っ越されて、善光寺さんのお膝元ということで、薬と願掛けも込めて門前の界隈へ参入し現在に至るそうです。
本店から繋がる 横町カフェでは、七味を使用したジェラートやカレー、デザートなども楽しむことができます。
かわいい七味缶のいす!
裾花峡は古くから眺めがいい場所として知られていたそうで、日本百景と知られる絶景地までの道中にこういった石柱が建てられ、昔の人たちはそれを頼りに目的地へ向かっていたそうです。
仁王門横の道からずっと店が連ねて西山奥の方まで続いていたという室賀社長からお話のあった道はこの通りですね。
十八町は今の茂菅あたりを言うそうです。
そこから仲見世を通って、5月に仲見世通りにオープンした鬼無里に本店のある いろは堂さんへやってきました。
創業100年ほどになる老舗です。
元々は小川村からでおやき前はパン屋を営んでいたお話も。
今は生地が変わっていて人気の親機として知られていますが、以前はパン生地が日本人には不慣れで不人気だったそうです。
今回は特別に試食もいただきました。
野沢菜が一番人気。とっても美味しいです。

国産の具材に拘っているので、具材のとれ高によって販売になれるか決まるそうです。

あんこと野菜ミックスから始まった、味噌を使っているものはすや亀さんのものを使用して地元の物、国産の材料にこだわって改良を重ねてきました。

いろは堂の作り方は揚げ焼き。一度揚げてからオーブンでやいています。
元パン屋さんだったことで、酵母を生地に使っているため外カリっと、中はふわふわもっちりになります。現在は、1日に1万個に作られている大人気おやきです。

 

まいたけ、じゃがいもがこれからの季節限定のおやきメニュー。楽しみですね!

雨が上がり、鬼無里ポスターをデザインしているタカギデザイン事務所へ。

 

 

1階にSunny Dog cafeがあるこのホワイトハウスという建物は、シェアオフィスになっている3階建ての建物。

 

その1画にタカギデザイン事務所があります。

元々は2階と3階は歯医者さんの住居スペースだったところを現在のスタイルにしたそうです。

タカギさんからは、鬼無里のプロジェクトや鬼無里のフットパスウォーキングマップを作るために歩いて鬼無里中を巡ったことなどのお話をお聞きしました。

 

また、門前周辺のお店で取り扱うオリジナル手ぬぐいのデザインをされていることもお聞きしました。

この3つを並べると一つの絵になる仕組みです。

 

タカギデザイン事務所を後にし、西鶴賀まで向かいます。

権堂アーケードを過ぎて西鶴賀商店街まで来たところの、小さな路地の向こうにおでん屋ひろびろさんはあります。

中はこんな感じでした。

 

おでん屋ひろびろさんでは、鬼無里出身の気さくな店主の方のお店の紹介と、ひろびろの店名の由来のことをお聞きしました。

いつもこのお店は常連さんで人気ということで今日は開店時間に合わせて到着です。

ちなみになぜひろびろかというと、今の店主の2代目で、お母さんのひろこさんとお母さんのお友達のひろこさんでお店を始めて、2人のひろ子さんからひろびろになったのだそう。

案内人羽田さんはこのひろびろへよく来られて、鬼無里のお話も度々しているそうです。

 

羽田さんからは、このまちあるきで1番みなさんに伝えたかったことは、地域の方々の人柄、文化的・歴史的背景、自然あふれる環境など全てを含めて、魅力あふれる鬼無里を、もっと皆さんに伝えて知るきっかけを作ったり、興味を持ってもらい多くの人に訪れてもらったり移住してもらえたらという挨拶で今回のまちあるきを締めくくっていただきました。

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