ヴィンテージ中毒者入門
2021年11月19日
14:00~16:00
参加者:11人
案内人:須藤悠(信州大学建築分野専攻 修士2年)
神奈川県出身、長野歴6年、ヴィンテージ中毒歴2年。
専門は建築ですが、最近はヴィンテージ古着の方が上回りそうです。普段は元空き家を改修しながらニワトリと暮らし、常に至高のヴィンテージを古着に限らず探し求めています。
【コース案内】
由緒ある、古くて価値のあるヴィンテージ。私はその中毒者です。古着から始まり古道具、古き街並みなどヴィンテージ
の魅力や見方を案内します。ヴィンテージ中毒者から入門者まで濃い2時間をお送りいたします。
【コース】
楽茶れんが館
↓
OESTE
取り入れやすい古着が多く、店主さんのスタイリングも抜群です。
↓
COMMA
東町/田町
私が好きな古き外壁があるので、ご紹介します。
↓
Light house
素敵な3店舗の共有スペース兼イベントスペースです。行けば、魅力に圧倒されます。
↓
North South East West
最後は素晴らしいカフェで少し話しましょう
本日のコースは「ヴィンテージ中毒者入門」。
案内人は信州大学建築分野専攻の須藤さん。
門前界隈の古着屋さんや街並みをめぐり、ヴィンテージの魅力やその見方を案内してもらいます。
開始前に本日の服とれんが館について解説する須藤さん。
写真で手に持っているのは「スプーンリング」。
かつて、アメリカの泥棒が盗品を換金する際、足がつかないように銀のスプーンの持ち手をリング状にしていたものがオマージュされています。
(背景を知ると、俄然見る目が変わってきますね)
一軒目の古着屋「OESTE」さんへ。
「取り入れやすい古着が多く、インスタなどで配信している店主さんのスタイリングも差し色が効いていて抜群」と、須藤さん。
まずは各々、自由に店内を見させていただきました。
まちあるき企画人のナノグラフィカのたまさんも、本日のテーマに合わせたコーディネートとバイクでちょっと登場。
一息ついて、店主の方におすすめの一部を紹介していただきました。
このジャケットはイギリスのブランド「バブアー」のヴィンテージ品。
デザインもさることながら、一番の特徴は表面にオイルを塗り込んだコットン生地です。
生地目にオイルがぎゅっと詰まっているので、防水性と保温性は抜群。バイクや狩猟など、屋外の過酷な環境下で長らく愛用されてきました。
光沢とハリ感も美しく、使い込むほどに持ち主に馴染んでオリジナリティある経年変化が生まれるそうです。
ミリタリージャケットなどの紹介も。
ひとつひとつが丈夫で機能的であるだけでなく、デザイン性にも優れていてびっくり。
ヴィンテージって、ただ単に古い物やレトロなものを指すのではないんですね。
OESTEを後にし、東町で古い建物を鑑賞。
おもしろいところに階段やシャワーがあったりして、何のために作られてどういった使われ方をしていたんだろうと想いを馳せました。
お次は権堂まで下って古着屋「COMMA」へ。
ポルカドットカフェさんの2階で営業されています。
「マニアックな古着もあり、毎回入荷が楽しみ」と須藤さん。
手にしているのはフランスのコックジャケット。
フランスやイギリスの職人服は、丈夫で機能的なつくりの中に「絶対機能としてはいらないひと手間=デザイン性・おしゃれ」も入っていて、作り手と使い手の働き方への美意識を感じるものばかり。
むちゃくちゃかっこいいのです。
須藤さんの解説に合わせて店主の方も商品を見せながら補足情報をアシスト。
他にお客さんもいらっしゃったにも関わらず、快くご説明いただきありがとうございました!
ちなみにレジの横には、ドイツの毒ガス実験の場で使われていた白衣(生地はバリバリでいろんな色のシミがついている)も売られていました。
毒ガスを肯定しているわけでは決してないのですが、どんな人がどんな風に使って現代の日本までたどり着いたんだろうと考えるとちょっと熱くなりました。
田町の建物を鑑賞。
隣のお宅の痕跡がしっかり残っている壁。
「無用」と思う人もいれば、「美しい」と感じる人もいる。アート用語で「トマソン」というそうです。
左手のビルの壁にもトマソンがありましたが、こちらはオーナーさんによって塗装されてしまいました。
緑町まで下って、市役所のサクラスクゥエアに隣接する「Light house」へ。
1階はカフェ「North South East 」とアウトドアショップ「NATURAL ANCHORS」、2階と地下には東御市のPh.Dさんの展示スペースや倉庫があります。
まずは2階へ。
Ph.Dさんの荒井さんからこのビルやPh.Dさんの取り組みについてご説明いただきました。
アップサイクルブランド「oops」の商品。
パッチワークされた一つ一つ異なるデザインは、本来捨てられる端切れが使われています。
月ごとのテーマに沿って線書された、「MMSS(モダニストマインドシェアリングサービス)」さんの希少な本をLighthouseやNorth South East Westで読める貸本サービスも10月からスタートしたそうです。
1階に降りてNorth South East Westさんで一息。
須藤さんが持ってきた本や私物のヴィンテージ服をファッションショー形式で紹介してもらいました。
(映っているトルソーも須藤さんの手作り!)
まちあるきが解散した後の一コマ。
古着好きの参加者さんと、Ph.Dの荒井夫妻と須藤さんのライダースジャケットを囲んで。
愛おしそうに服のディティールを眺める様子がなんとも言えず素敵な雰囲気でした。
作る人がいて、丁寧な仕事としっかりした材料があって、大切に使ってきた人がいて、その積み重ねに敬意と愛着を持って大切に受け継ぐ人がいるって、いいですね。
ヴィンテージって人生観にも通じるなと、この光景を見て思いました。
(同行:大日方)
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