REPORT

ながの門前まちあるき12月レポート 1月のお知らせ

2024年12月30日

「ながの門前まちあるき」12月レポート

12月のまちあるきはスタッフ安東が同行しました。

 

案内人はU.I.internationalの君島さん。長野県内で6店舗の飲食店を経営しながら、民間企業のプロデュースや自治体の指定管理施設で開業支援などにも取り組み、多岐にわたる活動をされています。

 

テーマは『わたしの門前商い物語』。門前で実際に飲食店を経営してきた方の、リアルな体験の話が聞けるのではと期待をしながら集合しました!

 

R-DEPOT1Fのラウンジで、出発式をしたのち、君島さんからコースの概要を紹介いただき、早速出発です!

 

最初に向かったのは権堂OPENの敷地内にあるダイニングバー「GOFUKU」です。

旧北国街道沿いの元呉服問屋さんだった建物。権堂パブリックスペースOPENという名前で、他の事業者さんと一緒に裏の3棟の土蔵とまとめてリノベーションしたのが2011年と10年以上も前のこと。

GOFUKUの建物は1Fがダイニングバー、2Fがレンタルスペースとして営業しています。

最近まで、土蔵の外壁塗装の補修工事をしており、きれいな白い外壁になっていました。大家さんも10年使われてきたOPENが今後も続いていくことを見越して、建物の維持・修繕に力を入れてくださっているそうです。

2025年にはGOFUKUの建物も改修工事が入るそう。どんな姿になるのか楽しみです。

権堂アーケードを東に進み、次に向かったのは「ファーマーズキッチン権堂跡地」。

地元の野菜を地元の人に届ける八百屋として、君島さんが開業したのは26歳の頃だそう。若くして開業した同時期には、ヤマとカワ珈琲店やbird、OND WORK SHOPなど権堂周辺に古い建物をリノベーションしたお店ができはじめたころ。

君島さんの開業の地でもあるこの場所は現在フィリピン スナック バーになっていますが、当時の写真を見ながらお話ししてくれました。

長野市出身の君島さん、小さい頃からおばあちゃんっ子で、おばあちゃんにいつも新鮮な野菜を食べさせてもらっていたそう。大学で上京した際に新鮮な野菜との違いを感じ、もっと新鮮な野菜をみんなに届けたいという想いが、開業につながりました。

大学を出た後、長野に帰ってきてからは、県内の道の駅を回って行き、そこで見つけた野菜を生産している農家さんのところに会って関係性を作ることから始めました。

農家さんそれぞれの人となりも魅力的で、美味しい野菜を売り先とどうやったら繋げられるかを考え、権堂で八百屋を開業。飲食経験もない中、試行錯誤しながらカレーなどを作って提供をしたり、イベントを開いたりする中で段々とまちの人に認知されていったそうです。

まちあるき参加者さんの中にも、ここで野菜買ったことある!という方がいて、もう10年も前か…とみんなで昔を懐かしみながら話していました。

田町の秋葉通りを北上して、次に向かったのは「トベアーキテクト設計事務所」。

トベアーキテクトは建築士の香川翔勲さんが代表として立ち上げた事務所で、君島さんも事務所の所員として主に経営分野で活動しています。

この建物自体は昔綿屋さんだったそうで、今も看板が残っています。10年前、ファーマーズマーケットと同時期にOND WORK SHOPというレザーショップが開業したのがこの建物です。そして、5年前にOND WORK SHOPが信濃町に移転し、2,3年前にトベアーキテクトの事務所として生まれ変わりました。

香川さんは、最後に訪れるHAKKO MONZENや須坂の指定管理施設やまじゅうなどの設計をしており、新築やリノベーションなど幅広く手掛けています。

ここでは、香川さんが独立に至った経緯や、東京の組織設計事務所で働いていたことから、長野と東京での建築設計の仕事の違いなど、様々なお話を伺いました!

 

そして、まちあるきの終着点が「HAKKO MONZEN」です!

大正時代に足袋屋として建てられた建物で、以前は古物のアートギャラリーとして使われていた期間もあったそう。

HAKKO MONZENが始まったのが2019年。2016年には山ノ内にできたHAKKO YAMANOUCHIの2号店でもあります。

設計はトベアーキテクトの香川さん。広い土間空間を活かした開放的な空間と、インダストリアルなデザインの厨房が特徴的です。設計の期間はキッチンの配置や空間デザインについて、CGパースでイメージを見ながら、工事の効率なども考え、様々なパターンをシミュレーションし、決定していきました。

また、外を歩いている時にも目に入ってくる「発酵イズム」のネオンサイン。古い建物のリノベーションでは色味や素材感が重たくなってしまいやすいのに対し、表参道を行き交う若者やインバウンドのことも想定し、外から見たときに気にかけるきっかけとして軽く・明るいデザインを意識されたそうです。

発酵食品を用いた料理を提供しているHAKKO MONZENですが、みんなが家で真似できるようなメニューで、発酵食品を日常使いする入り口になり、広めていくというのがコンセプトの一つ。

そのため、各料理一つ一つに説明カードがついています。料理が来るまでの間に、読んで知ることで食べる時の楽しみの一つになるように。そして、どんな材料が使われているか、作り方などを持ち帰って真似できるようにという意図で制作されています。

また、地域のお店との関係性もとても大事にされていました。例えば味噌は近くの「善光寺門前味噌すや亀」のものを使用していたり、コーヒーはお隣の「Foret coffee」の豆を使用していたりと、ここで味わったものを近くのお店に買いに行ける関係性ができていました。

最後はみんなでコーヒーを頂きながら、君島さんの現在活動している須坂の開業支援の取り組みや、今後展開していく予定の「フリークスストア」と君島さんが携わる「シナノソイル」の共同プロジェクトについてなど、飲食店経営だけではない多岐に渡る活動について、参加者さんからの質問にも答えながらお話ししました。

個人的に、須坂の開業支援の活動の分野で、君島さんとお話させていただく機会が多く、経営アドバイザー的な方なのかなという認識でいました。

ですが、まちあるきに参加し、君島さんのルーツである農業・農家さんとの関わりや野菜への想いを聞き、多岐にわたる活動もここに軸があるんだなと、見え方がガラッと変わりました!

参加者の皆さんも、君島さんの活動に共感したり、応援したりと興味津々で、話題に尽きない回でした。

 

案内人の君島さん、ありがとうございました!

(レポート:安東)

 

◎1月のながの門前まちあるき

 

1月のまちあるきは

1月25日(月)10:00から

案内人は、長野市文化財課の塚原 秀之 (つかはら ひでゆき)さん

タイトルは、『「石」めぐりの旅』です。

大昔から身近な材料として使われてきた「石」。まちなかにある「石」から読み取れるストーリーに思いを馳せます。

 

コース

表参道両側の縁石

八十二銀行大門町支店

善光寺二天門跡の大石

宿坊裏通りの石積み

 

<開催概要>

時間:10:00〜12:00

参加費:1000円

定員:10名

申し込み:電話 026-219-2280

メール info@r-depot.com

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