REPORT

衛星データで長野市内の“緑”を見てみる

2024年5月24日

5月22日(水)10:00~12:00
参加者:6人

【案内人】
松井 直人 《 まつい なおひと》(株式会社羽生田鉄工所 新規事業開発担当)

産業機械のエンジニアをしていたところ、5年前より突然人工衛星データをつかった事業プロジェクトに参加することになり、悪戦苦闘の日々を楽しんでいます。

【コース案内】

衛星画像で長野市内の緑の状況を見てもらいます。緑の特色ある個所を見つけて現地に実際に行ってみます。宇宙から見た緑と実際の緑を比較考察します。今回は一般の人向けに衛星データを活用する世界初?の試みになります。

※野外観察場所は衛星画像分析の結果などから変更の可能性があります。

【コース】
楽茶れんが館

➡R-DEPOT

プロジェクトを普及するために入居しました。ここは、よく分からない取り組みをしている人がたくさんいるので違和感ないかも?

本願寺長野別院 カエデ

R-DEPOTの3階からお寺の中の木を観察します。

県立大象山寮の庭

中庭に植物活性度が高い場所があります。

十念寺北の大木

大きなケヤキが宇宙から見えます。大仏様も参拝しましょう。

鍋屋田小学校 校庭

グランド周りに1年中植物活性度が高い場所があります。どんな樹種があるのか予想してから観察にいきます。

➡GOFUKU

繁華街にあり中庭には大きな木や草はらがあります。陽気が良ければテラス席で緑を見ながらランチしましょう。 ※実費必要

5月22日(水)、株式会社羽生田鉄工所 新規事業開発担当松井直人さんの「ながの門前まちあるき」を開催しました。テーマは、“衛星データで長野市内の“緑”を見てみる”です。今回のまちあるきは、おそらく、「一般の人向けに衛星データを活用する世界初?の試みになる」ということで、200回を超えるこの門前まちあるきも、ついに、大気圏を突破して“宇宙からも私たちの街を見て歩く”という初めてのテーマで、とてもスケールの大きな(笑)まちあるきとなりました!この、壮大な(笑)テーマに惹かれて集まられた参加者の皆さんも、思い思いに存分に楽しまれているようでした(*^_^*)

まず最初は、羽生田鉄工所さんのサテライトオフィスがあるR-DEPOTに向かいます。この門前まちあるきではお馴染みの場所ですね。(^_^)

R-DEPOT

今回の人工衛星データを使った事業プロジェクトを普及するため、サテライトオフィスをR-DEPOTに構え入居されています。

今日はこちらのオフィスで、実際に人工衛星データ画像を見て、触って、体験させていただきます!!(ワクワクが止まりません!笑)

いよいよ座学の始まりです。まずは、改めて、人工衛星の仕組み、衛星の打ち上げ方、秒速8㎞(北海道―沖縄間を4分以内で移動できる速さ)という速さで人工衛星が地球の周りを回る仕組み、日本の人工衛星のカーボンを羽生田鉄工所さんが製造していること、等々面白いお話がたくさん!

 

このあといよいよ、衛星画像を操作です!今回使用するのは、Sentinel-2センチネル2」とうい衛星画像です。欧州宇宙機関(ESA)がインターネットで無料公開している画像で、衛星業界ではポピュラーなものだそうです。(興味がある方は、「センチネル2」で検索を♪)

Sentinel-2 の衛星画像は、土地被覆変化の把握や環境モニタリングをはじめ、自然災害、農業(作物)の生育状況の把握などの幅広い分野で活用されています。

説明を聞きながら、実際に衛星画像を操作し、皆さん歓声をあげながら、楽しそうでした!

 

 

 

他にも、令和6年元日の能登半島地震の輪島の海岸線の隆起の様子を確認することができたり…

アメリカの山火事の様子では、赤外線を強調することで赤く熱を帯びた部分を追っていき、山火事がどのように進んで動いているか、等の災害に活用されたり…、

やはり衛星画像が一番活用されているのは「安全保障分野」なので、紛争の様子も分析し、人が入れないような所など客観的に見る事ができます。

 

本願寺長野別院 カエデ

さあ、いよいよ、先ほどの宇宙から見た衛星データの緑と、実際の緑を比較します。

まずは、R-DEPOTの3階から、グラフデータ①の本願寺長野別院のカエデを確認します。

グラフを見ると、数値が下がっていて、去年のデータと比べると数値が弱っています。そこで実際にこのカエデを見てみると…?

去年まではもう少し枝があったので数値が高かったのですが、今年は剪定されていて枝が少なくなっていました。なので去年と比べると数値が弱っていた、という実態を見る事ができるのです。

これを、農業に活用して、例えば「前年と比べて弱っているな」という所を見つけて、そこを重点的に見回りしよう、ということができます。

十念寺北の大木

次は、グラフデータ②を確認しに行きます。ここは、去年より数値が上がっていて、いい感じに成長しているようです。“データの緑色が濃いなぁ”といことで、実際に来てみると…?

そこにはこんなに大きな大木があったわけです。樹齢何百年くらいだろうか…。\(◎o◎)/

この大きな大木は、個人の方の所有のようですが、「とても素敵な木なので今後も残していってくださいね」ということで、平成10年に市の“保存樹木”に指定された大きな「ケヤキ」でした!

 

県立大象山寮の庭

次のグラフデータは③です。これは、県立大象山寮の中庭です。中庭に植物活性度が高い場所があります。実際はどのようになっているのでしょうか…?

他のグラフと比べるとあまり特色のないグラフですが、色んな木々が混ざり、中央が雑草のため、草を刈ったり、冬場は草もあまりない等で変わってきます。そういったものが合わさるとこういたグラフになるとのこと。

ここは以前、後町小学校の校庭だった場所で、当時の木をそのまま残してあるそうです。見事なイチョウ、メタセコイア、広葉樹…、色々な木があるから面白いな、と案内人の松井さんの解説に終始皆さん興味津々です!

ちなみに、こういった衛星データ画像のお値段は…、

3m×3mで一枚10~20万円、30㎝×30㎝だと100万円単位になるそうです。また、最新画像は高価ですが、古くなってくると値段が落ちてくるそうです。サブスク的な使い方やビジネス的に考えると、なかなか難しくもあり、でも期待もできるところ!と松井さんは仰います。

また、海外では10mや30mサイズのものを無料で公開したりしていますが、日本ではまだまだあまりそういったことはしていないとのこと。(※経産省では一部無料公開ありのうようです。)

鍋屋田小学校 校庭

本日最後のグラフデータ④は鍋屋田小学校校庭です。

④のデータは、年間であまり変化がなく、また、数値も高い。つまり、年間でそんなに緑が変化しない=一年中植物活性度が高い場所ということで、それはどんな樹種か予想すると…?

杉の木が並んでいました。「確かに!」と納得です。

余談ですが、向こう側に見える見慣れたNTTドコモ長野ビルは、長野県で一番高いビルだそうです!(75m(鉄塔含めた高さは105.9m)、2番目は、松本市のホテルブエナビスタだとか。)

 

GOFUKU

今回は、長野市の中心市街地付近の“緑”を衛星データで見て、特色のある所を4ヶ所巡ってきましたが、最後の〆は、権堂アーケードの脇の裏路地にあるGOFUKUさんにて、みんなでLUNCHです♪

築100年の古民家をリノベーションしたダイニングバー。専用機械で焼き上げた“ロティサリーチキン”が名物です!地元食材を使った特性料理やクラフトビール、ワインなどメニューも豊富です。また、中庭には大きな木や草はらがあり、陽気がいい日はテラス席で緑を見ながらランチするのもおすすめです♪

LUNCH PLATE SET/¥1,980

メインのプレートを選び、スープとデザートとドリンクがつきます。

ロティサリーチキンも気になりましたが、“信州米豚のローストポークプレート”もとっても美味しかったです(*^_^*)

今回のまちあるきでは、色々な体験ができたように思います。

例えば、これまでも、R-DEPOTのサテライトオフィスを見学したりはしましたが、外から見る事が多かったので、今回のように実際にその企業さんの中に入って体験できたのもまた、企業のリアルな現場をより身近に感じることができたような気がしました。

また、空を見上げながら木々とデータを見比べ、時には「なるほどね!」、「確かに!」と考察や裏付けなんかも織り交ぜながら案内人松井さんのお話に耳を傾け、なんだか、小学生の頃の理科の実験授業のようでとても楽しい時間でした!

「宇宙からこの私たちの長野市を観る」という、また「新しい長野市の見方」を体験し、新しい発見と、また一つ視野が広がり興味が広がるとても面白いまちあるきでした♪♪

≪同行記録:宮島麻由子≫