紙を想ってさんぽ
2019年2月15日
10:00~12:00
参加者: 12人
【案内人】萩原夏子
紙漉き
【プロフィール】
日本人はもう何千年もの間、日本固有の“和紙”を漉き続けてきました。自然の意思を感じながら紙を漉き、その伝統を伝えていきたい。“紙の記憶”(手漉き和紙、小物、紙漉き体験)主宰
【コース案内】
かつて“神”と崇め大切に作られ使われてきた「紙」が、今は使い捨ての存在。生活の中にありふれた「紙」を想いながら、散歩してみませんか。
【コース】
東町ベース
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小玉染物店
着物、そして暖簾や手ぬぐいなどを染める昔ながらの染物屋さん。和紙に型染めしてほしい!と無理難題を押し付けたものの快く受けていただき現在商品試作中。
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武井工芸店
生活に繋がる手仕事に出会えるお店。農民美術作品や信州の工芸品は目にも手にも温かい。大正時代の建物を移築したギャラリーも素敵です。
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柏与紙店
文政年間創業という歴史ある紙店。和紙にまつわるいろんなおはなしを聞いてみたい。
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朝陽館萩原書店
案内人の実家の本屋。かつて出版もしていたり、結構歴史があるんです。紙に興味を持ったのもここにルーツがあるかもしれない。
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オフィスエム まいまい堂
貴重な長野市の小さな出版社。素敵で面白い方々が本を生み出している。1階のまいまい堂で一休みしませんか。店主の楽しいお話が聞けるかも。
情報公開後、すぐに多くの方にお問合せいただき定員オーバーとなってしまった今回のまちあるき。ご自身で制作活動をされている方などにも大勢ご参加いただきました。みなさんわくわくでスタートです。
一軒目、岩石町にある「小玉染物屋」着。
店主の浦野さんにお迎えいただきました。
着物や暖簾、手ぬぐいなどを染める昔ながらの染物屋さん。作業場を見学させていただきます。
わー!!
ここにあるのは手掛けたほんの一部だそうですが、あれもこれも門前界隈で見たことあるものばかり。思わず手に取って参加者同士で会話がはずみます。
こちらの和紙は「和紙に型染めしてほしい!」という荻原さんの無理難題(?)を受けて現在試作中の作品。素人目には一見何でもないことのように見えますが、洗いをかけるときのお湯で和紙が溶けないかなど、いろいろな課題をクリアしてここに置かれた姿に至っているそう。
染めの過程を実演してみますね、と浦野さん。
アルカリ溶液をまんべんなく塗る「反応染め」という手法。
細い柄でも滲まず生地の風合いも残せる利点がある反面、塗り残しがあると色がつかなかったりちょっとした作業のずれで仕上がりが大きく変わってしまうという、実は手もかかるし難しいやり方。お客さんから反物を預かって染めるので、失敗が効かない一発勝負! いつまでたってもこの工程は緊張するとか。
さまざまな薬剤も作業場にありました。
染料の粘り気はアルミン酸(こんぶの粘りとおなじ)というもので出しているそうです。
洗いをかける時に使う釜。年季の入り具合がめちゃめちゃかっこいい…
岩石町から大門町へ。「武井工芸店」着。
生活に繋がる手仕事に出会えるお店。
農民美術や信州の工芸品をメインに扱われています。
「農民美術」とは、昔、農業の閑散期に収入を得るために農家の方が製作した実用的な木彫り手工芸品のこと。
大正時代の建物を移築した2階のギャラリーで、店主の武井さんが出張中のため、同じく大門町で「門前茶寮・弥生座」を営む奥様からお話を伺いました。
「武井工芸店」さんを後にして歩きはじめると、先ほど「小玉染物屋」さんで見かけた暖簾を発見!(←なんだかうれしく、見惚れる)
大門町の「柏与紙店」着。
文政年間(200年近く前)創業の歴史ある紙店です。
今日のまちあるきのテーマは「紙」。そして、門前界隈で古くからこの街並み・営みを支えてきた「紙」にまつわる老舗を中心に今日は回っているんです。と荻原さん。
自身が新田町で100年以上続く「朝陽館 荻原書店」の娘として生まれ育ったルーツも、紙や老舗に興味を持ち大切にしていきたいと思う素地になっているそうです。
柏与紙店さんの店内を通り抜け、特別に奥の方まで入らせていただきました。
第一倉庫、第二倉庫と進んで、
「味噌蔵」なんて場所もありました。
かつては20人ほどいた従業員のまかない用として味噌樽に味噌を保管していたとか。けっこうな大きさでしたが、この量でも1年しか持たなかったそうです。
「長野に最初に開通した電車の切符紙を卸した」など、伺うエピソードはスケールの大きいものばかり…
そして店内は色や素材の異なるさまざまな紙があって見ているだけでも楽しかったです。
さらに南下して新田町の「朝陽館 荻原書店」へ。
荻原さんのお父様からお話を伺いました。
明治創業時のチラシも拝見。
建物は長野オリンピックの際に痛みが激しかったため建て替えたそうですが、「朝陽館」のシンボルでもある日の出の屋根瓦や看板は当時のものがそのまま掲げられています。
昔は本の販売だけでなく、出版元としてもさまざまな娯楽や情報を人々に伝えていたとか。
蔵を整理した時にでてきた昔の蔵書は店頭の長野コーナーで販売もされています。(結構人気)
店奥にはギャラリー「蔵」も併設。
江戸時代に建てられた蔵で、市内外の方々に作品展示やイベントでの使用に解放しているそうです。
本日の最終訪問場所、上千歳町の「オフィスエム/まいまい堂」へ。
荻原さんいわく「素敵で面白い方々が本を生み出している、貴重な長野市の小さな出版社」。
1階は古本とカフェ「まいまい堂」。2階は出版社「オフィスエム」。そして4階ではギャラリー「からこる坐」も運営。ちなみに信級では「まいまい食堂」も開きつつ、地元の方々の生き方やこれまでの人生を本にまとめたり、信級暮らしを発信するフリーペーパーも発行したりしているそうです。
店内では荻原さんの作品、和紙や、和紙製の栞も販売されていました。
さぁ、一息ついて最後にお茶休憩しましょう!
持ってきてくださったご自身の制作物をお互いに見せ合ったりしながら、まちあるきを振り返りました。
(同行:大日方)
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