お茶屋をハシゴ
2023年12月6日
11月25日(土)13:30~16:00
参加者:7人
【案内人】
大日方 薫 《 おびなた かおる》(ライター)
上田市生まれ長野市育ち。趣味はチラシや看板を愛でながらの散歩。昨年までこのまちあるきの事務局を担当していました。
【コース案内】
お茶を片手にふ~っと一息。この瞬間が最高に幸せだと思うようになってきました。お茶の世界は初心者ですが、このまま身近にある専門店を素通りしてはもったいない!というわけで、お茶屋さんをめぐってあれこれ伺ってみます。
【コース】
楽茶れんが館
➡蔦屋聰本店
「緑茶色の壁×抹茶色のレンガ」の外観をずっと愛でてきました。当日はあいにく店休日のためお店の前でご紹介を。
➡長喜園
茶葉を自家焙煎・プレゼントして販売。手作りのどら焼きやおやき、甘味各種も美味各種も美味です。
➡山喜園本舗 戸谷茶店
丁寧な手書きの「おいしい〇〇の入れ方」カードにキュン。ほうじ茶各種は店内焙煎です。
➡中山茶園
併設のカフェでお団子やマフィンもいただける。プレゼントしたくなるオリジナル商品にも目移りです。
➡寿づき園茶店
棒茶を店頭の焙煎機で自分好みに「カスタマイズ焙煎」できる。お茶のアイスクリームはイタリアから取り寄せたマシンで製造しているらしいです。
ここ久しくお茶といえば、コンビニ入っておーいお茶か伊右衛門かイオンビックで特売のサンガリアをまとめ買いみたいになってしまっていますが、急須から入れていただけるほんまもんのお茶を飲みたーいですってことで個人的にワクワクしてます。
出発式
1年前に独立してから、自宅でお茶をいれる機会が多くなってきているという大日方さん、15秒でさっさっと入れてきたお茶と最近しみじみと向かい合うようになってきたそうです。
「案内人:お茶の世界は深そうですが、実はあまりよく知らなんです。皆さんとご一緒にお茶屋さんに僭越ながらもお茶のあれこれを教えていただくまちあるきになればいいなと思っています。」
➡蔦屋聰本店
外壁の色はお茶にちなんで薄緑されたそうです。一目瞭然でお茶屋さんだってわかりますね。もう少し光沢いれるとクリームソーダ屋になってしまいますし。
お茶屋さんあるあるで、チャノキ(お茶の木)は店前によく鉢植えされています。耐寒性は強くないのですが、-15℃まで大丈夫なので長野の厳冬もギリ大丈夫ですね。
2代目店主の二本松弘さん。
「日本茶は静岡、京都、鹿児島といった産地、煎茶やほうじ茶といった品種、収穫する時期や製茶工程で、いろいろに味が変わってきます。当店では日本各地から取り寄せた茶葉を、さらに私どもでお客様の嗜好に合わせた茶葉(オリジナルブレンド)をつくっています」
「手間をかけた高級品でも熱湯で抽出してしまうと、せっかくの甘みが出ずに、ただのそこらの安いお茶の味になってしまいます。」
最初から、なーるほど!連発です。お茶の温度かぁ、状況が違いますが、秀吉に幼少の三成がいれたぬるいお茶、三献茶の逸話を思い出しました。
➡長喜園
ニヒルな横笑みを浮かべる青ジャケの富井さん、なかなかレンズに入ってきてくれませんのでレア―です(内輪ウケ狙い)
ご主人の宵野間信行さん:「創業明治36年、1904年(日ロ戦争?)です、先代の爺さんが小諸の総合商店へ丁稚奉公へいったご縁で暖簾を分けていただいて、今の私で3代目になります。」
「お茶の販売エリアは北信地方が多く、飯山、野沢温泉、栄村、妙高、上越の各販売店(昔でいうとよろずや)さんへ卸してきました。しかし、時代の淘汰を受けて、お茶屋だけに限らずよろずや的な販売店はスーパー業態にのまれ、店舗数は徐々に減ってきており、私どもの問屋も取引量が減少してきてしまいました。
「そこで、お茶販売だけでは売上を維持していくのは難しくなっていくだろう経営判断をして2011年に喫茶スペースをつくってスイーツやアイスクリームを販売するようにしました。山本山、永谷園ももとはお茶屋さんなんですよ。ちょうど歩道も拡張され、ベンチを設置するなど工夫を重ねた結果、利用客が増加してきました。やってみるもんですね!今では、お客様の半数は外国人です、時代が変化しているのを実感しています。」
お茶壺。今の社長が生まれるころまで使われていたそうです。これに貯蔵して、量り売りで販売するのが当時のスタイルでした。今となっては茶箱もなくなってきて、高価なものとなっているそうです。
お茶屋が教える美味しいお茶の入れ方です!
「渋み」と「うまみ」をバランスよく調和させてお茶をたてます。渋みとは「カテキン」で、うまみとは「アミノ酸」です。カテキンは熱いとどんどん出てくるので、抑えるためにお湯は90℃から80℃に冷まします。インフルが流行している場所に出向くときは熱いお茶を飲めば殺菌作用が効いて風邪の予防になります。うまみの素のアミノ酸は低い温度ほどよく出ますので、70℃~80℃ぐらいであればちょどよいころ合いになりますね。80℃ぐらいがベスト!ですね。せっかくですのでお茶の色も楽しんでみましょう、お茶の濃さと量が同じになるように、各茶碗に少しずつ数回に分けて廻し注ぎをしてみてください。
最後に、まちあるき参加者さん限定ということで、奥にのびている工場を案内していただきました。貴重な体験です!
➡山喜園本舗 戸谷茶店
店主の戸谷夫妻さん。
山喜園さんも創業100年を迎えられる老舗のお茶屋さんです。かつては長野のこの辺りには16軒ほどのお茶屋があったそうですが、今となっては営業されているお店はわずかになってしまいました。今日まで暖簾をまもってっくることができた、そこには納得の理由がありました。
ひとつひとつ手書きのPOPです。お客さまを大切にされている、お茶を美味しく飲んでいただきたくて愛を感じました。POPを持ち帰ってきました。神棚に飾って毎日拝みたいくらいですね。そんな戸谷さんの人様への愛が店内の随所にあります。
昭和32年の山喜園本舗の古い良き時代の写真を拝見させていただきました。昭和32年(1957年)はちょうど丸光百貨店が開店した年になり、撮影場所は屋上でしょうか?歩道が広く、車道は1車線ですし、チャリで車道をブッちしている方もいて、インドっぽいですね。中心市街地の煩雑ぶりが伺えます。バスは北屋島行の川バス?
➡中山茶園
店主の小林貴美子さん。「出身はお茶の本場、掛川市出身で、長野に来てお茶屋を始めました。実家は茶畑農家で、そこで収穫したお茶葉は製茶工場問屋を経由してうちに運ばれてきます。」なんと、お茶屋さんを営むには環境抜群の名門家ですね!
「静岡はお茶の一大産地ですが、掛川市は年間を通じて特に穏やかな気候に恵まれ静岡の中でも特別な産地です。その茶葉は深むし茶と名称され全国の茶品評会では、いつも金賞等を受賞しているんですよ。ぜひ味わってみてください」
小林さん:「深むし茶」とは、渋みと苦味をおさえて、まろやかでコクがあるのが特徴です。普段のまれている緑茶よりもずーと甘いんです。」どんくらい甘いのか?そこまで言われると私も試したくなる性分でして、一袋お買い上げしました!量り売りもされています。後日、試し飲みしましたが、Aコープで買ってるうちのお茶なんて飲めたもんじゃありません。
ここまでくるころには、参加者さんたちはお茶学入門者卒業です。
静岡産のお茶って銘柄はいくつもあるんだけど、、今日の気温や湿気具合もろもろから判断して、自分的にはこの掛川産の深むし茶が推しかな。渋さを控えめに甘さを少し強調した感じで80℃で調整して入れてみたんだけど、どお? って感じでやってみると、もおあなたも通ぶれます!
ずーと古くから愛用の焙煎機。換えはきかないそうです。職人気質っえかっこいい!
案内人:「お茶講座も時折開催しています。すぐ予約が埋まってしまうので、こまめにチェックしてみてください。」
➡寿づき園茶店
本日の大トリは、創業107年、1916年に創業した老舗のお茶屋さんです。
案内人:「全国各地のお茶を多く品揃されていて、美しく陳列されていますね。お茶におすすめの菓子も取り揃えています。信州の人は漬物をおおく召し上がるので、漬物にあうお茶も提案してくれます。その日の天気、気温、湿度などから判断して、どの都度ブレンドしてくれるきめ細やかな神対応をしてくれます。長野市内の日本茶販売店では初の抹茶ソフトクリームを手掛け、そのおいしさと人気ぶりには業界もビックリ、他の店も二匹目のどじょうを狙って参入してきました。なぜそんなに人気があるのか?店頭に召し上げっていただければよーくわかります!芸が細かいんです。」
寿ゞき園茶店 四代目 鈴木一平さんです。期待を一身に背負う若旦那です。
富井さーん、油断?笑
焙煎機を用いてお客様が好みの茶葉をつくることができます!
袋から取り出したまっぱの茶葉と焙煎機に入れた後の香りの違いに気づいてください的な実験をしています。あまーいこおばしい香りが店内にひろがってく、その差は歴然です!
一滴、一滴ぽたりぽたり煎じます。一晩かけても少量しかとれません。そんなお宝茶を参加者全員にふるまっていただけました。
最後にまたまたお土産をいただきました!うれしいー!!
今日のまちあるきは、すべてのお店から、お土産いっぱい、ノウハウいっぱい、お茶が下っ腹にいっぱい、楽しさいっぽい、プチ感動いっぱいいただきました。
もっとお茶奥深さを探求したいのでしたら「日本茶のソムリエ」と呼ばれる日本茶インストラクターという資格があるようです。
最後におさらいです、お茶の種類にあわせた茶葉の量・お湯の温度・煎出時間によって、同じお茶でも味もうまさも変わってきます!あとは、お茶を入れてくれる方次第か?そこ一番味に影響ありそうな、それは言わない言わない。愛情も急須に入れて注いであげてください。
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