R-DEPOT主催『こまつやさんと回る空き家見学会』に参加してきました!
2024年9月18日
こまつやさんと回る空き家見学会
開催日
9月14日(土) 14:00~16:00
参加者:11人
【案内人】
須藤 悠 《すどう ゆう》(R-DEPOT)
生まれも育ちも横浜。高校時代に文化祭で皆と協力し物を作る面白さや喜びを知り、「ものづくり」に興味がわき、信州大学の建築学科へ進学。長野県で暮らし始め、「他の人がやらないことをやろう」の家訓のもと、大学時代に空き家のリフォーム・DIYをスタート。地域の人たちと一緒に空き家の改修・活用事業等を行って、地域の人と交流しながらまちのことをまちの人たちが自分たちで変えていく「まちづくり」の仕組み構築を行っている。
廣政真也 《ひろまさ しんや》(「こまつや」店主)
山口県生まれ。現在の「こまつや」の店舗は妻のあやさんの実家であり、300年以上続く「小松屋荒物雑貨店」を改装して2009年にオープン。大家族で食べているような感覚の、調理台まで一体になっているフラットな大きなカウンターで、お客様も含めたお店にいる全員でお店の空気を作っていく、という気持ちで毎日営業。地産の食材を使用し、カウンターや内装にはお客様との絶妙な距離感を演出している。
コース案内
毎月R-DEPOTさんで開催されている「空き家見学会」。今月は特別バージョンで、西之門町で15年パスタ屋さんを営んでいる「こまつや」さんの店主真也さんにご協力いただきました。空き家を活用し事業を始めたい方を対象に、善光寺周辺のR-DEPOTさんの紹介できる空き家の物件見学と「こまつや」さんにて空き家等での開業に向けたお話を伺いました。
【コース】
〈前半〉
R-DEPOT
↓
空き家1 元餅屋
↓
空き家2 元魚屋
↓
〈後半〉
こまつや
店主の真也さんと合流し、西之門町の歴史や周辺の新旧リノベーションのお話を道中伺いながら「つきや」さんに向かいます。
↓
つきや
8月に桜枝町にできたばかりの戸隠そばのお店です。100年以上続いていた呉服屋をリノベーションして始められた、との事で、元呉服屋の建物の話やそこでお店を始めた経緯、開業当時大変だった事を伺います。
↓
こまつや
ゆっくりお茶を飲みながら、こまつやさんの開業当時の資金や経緯、今でも大切にしている事、まちの関わりのために大切にしている事等を伺います。スライド資料にて開業のコツやノウハウを伝授してもらい、参加者の事業開始に向けた個人的な質問にもお答えいただきました。
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「出発式」
今回はR-DEPOTさんの「こまつやさんと回る空き家見学会」に参加させていただきました!
R-DEPOTさんにて簡単にR-DEPOTさんの活動紹介と参加者の出身地等のアイスブレイクを行って空き家見学会スタートです!
近隣の方が参加されていましたが中には東京都からいらっしゃった方も。
熱い日差しの中、須藤さんのまちに関する紹介も聞きながら一つ目の空き家に向かっていきます。
今より少し昔の善光寺のあたりは表参道と裏参道のあたりが栄えていたそうです。
中でも権堂の伝説のエピソードを紹介していただきました。
『あるところに父娘がおりまして、父は出稼ぎに遠くに出かけていたそうです。
その間に娘が悪者にとらえられてしまいました。
それを知った父が娘を助けるために、悪者を柳(やなぎ)の木を使って倒しました。
そして倒した悪者を土に埋めたら、そこから柳がたくさん生えてきて、柳の地名を冠するようになりました』
嘘か本当か、信じるのはあなた次第ですが、こんな地域独特の昔話が、空き家の物件提供交渉する際に、大家さんと距離を縮めるのに役立つんですって。
地域の歴史を知る事で、地域の空き家等の資源の価値がよりわかるようになるんですね!
「空き家1 元餅屋」
今回はR-DEPOTさん経由で空き家物件の内見をさせていただきました。詳しい事は紹介できないのですが、餅屋さんの面影が残る、割と現代的な物件でした。
説明の際に須藤さんから空き家選びのコツを教わりました。
空き家選びの際に確認が必要な事としては
1, 屋根が腐っていないか
2,立地や隣との境界はどうか
3,給水・排水はどうなっているか
だそうです。
「空き家2 元魚屋」
こちらも物件について詳しく紹介はできないのですが、古き良き雰囲気が残るこじんまりとした物件でした。元々R-DEPOTさんは家具や内装を引き取るのみだったそうですが、価値のある家具や趣のある建物なので「解体するのはもったいない!」という事で、解体業者さんや大家さんと何回も交渉し手に入れた物件なんだそうです。
「つきや」
こまつやさんにて店主の真也さんと合流し、まちの歴史を伺いながらつきやさんに向かいました。西之門町は江戸時代から明治時代にかけて、中心市街地のように主要な商店やサービスが充実した町であったそうです。当時は畳や下駄等の生活にまつわるお店が充実していました。
つきやさんはこの8月2日にオープンしたばかりの新進気鋭の戸隠そば屋さんです。戸隠そばは、生産数も限られている上に卸売り先も限定されているそうで、相当の信頼を勝ち得ないと取り扱う事ができないんだそうです!
つきやさんに着き、店主さんにお話を伺いました。つきやさんの店舗は元呉服屋で、200年くらい続いていたそうで、店舗の改装・営業開始には苦労をされたそうです。外壁には200年以上の歴史を感じさせる跡が残っています。
元々観光客をターゲットに始められたそうなんですが、実際に始めてみると近隣のお住まいの方の利用が多く、周りに夜ご飯を食べれるお店がないのでその需要を満たしているのではないか、とお話されていました。
「こまつや」
ここで空き家見学は終了、という事で、こまつやさんにて参加者全員で大きなカウンターやテーブルを囲み、お茶をいただきました。店内は本も充実しています!
一息ついた後、こまつや店主の真也さんの「こまつやさんについて、事業開業に向けて」のお話を伺いました。こまつやさんの前の「小松屋荒物雑貨店」の経営の変遷やこまつやさんの開業資金やお店の設計の際に気をつけた事やコンセプト、事業継続のために大事な事等を紹介していただきました。
自身のやりたい事とそのお店にしかないオンリーワンの特色を掛け合わせ、それを良い感じに宣伝する事もそうですし、基本的なサービスをきちんと提供する事でリピーターさんも継続的にいらっしゃってくれるそうです。参加者は実際に空き家を活用し事業を始めようとされている方ばかりで、皆さん熱心にメモを取ったりお話を聞かれたりしていました。
真也さんの“ためになるプレゼン”の後は、参加者が事前に寄せた質問についてお答えいただきました。参加者が事業を始める上で気になっている事や善光寺あたりでお店を経営するに当たって気になる雰囲気等の応答がありました。実際に事業を始めるとなると、「お客さん来てくれるかな」とか「ご近所付き合いどうしよう」とか、心配な事があって、迷ったり一歩前へ踏み出せなかったりしますよね。その際に、“真也さんだったらどうしているのか”、そんなお話に質問した参加者も、驚いたり納得したりしていました。
「事業を始めるにしろ、やはり楽しんで日々を過ごすこと!が一番大事だ」、とおっしゃっていました。なにかと不安があるこのご時世ですが、日々をめいっぱい楽しんで過ごす事でお客さんがまた来たくなるような雰囲気・人柄になれる、という事ではないでしょうか!
今回の空き家見学会は「門前で空き家を活用して新しい事業を始めたい」という方を対象に、後半に門前でお店をやられている方のお話を伺いながら見学しました。R-DEPOTさんとしても貴重な、挑戦的な試みだったようで、空き家を視察した後にお店をやられている方のお話をお聞きできて、「空き家を活用して事業を始める」という事が自分事として身にしみて、「よし、事業始めてみよう!」と思える見学会でした。
最後に、「今の門前周辺で皆さんが事業を始めるとしたら、どんな事業やお店が必要だと思いますか?」という問いに、
「どんな事業やお店でも素敵だと思います!ただ、今の門前周辺にないお店や事業を始めると、近隣のお店にないものを補いあって、暇な時間にふらっと立ち寄れたり、面白い発見があったりする。」と真也さんはおっしゃっていました。
自分の事業やお店を運営していく中でまちや人とつながったり、運営していなくても、まちを歩く事で今まで知らなかった事を知れたりして新たな発見や人とのつながりが生まれてきますよね!
まちを歩くってとっても素敵な事なんだなあと改めて実感しました!
《記録:藤岡美希 》
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