REPORT

【ながの門前まちあるき】11月レポート・12月告知

2025年12月2日

11月のながの門前まちあるき

『コーヒーミル、カップで見る珈琲店』と題して、R-DEPOTのカフェスタッフ佐久間が案内人となった今回のまち歩き。
昨年からカフェ専属スタッフとしてR-DEPOTに入社した佐久間は千曲市生まれ在住。アメリカシアトルの短大を卒業後、さまざまな飲食店で勤務。現在R-DEPOTでコーヒー豆焙煎、バリスタをしています。2023、2024 ジャパンバリスタチャンピオンシップというコーヒーの大会の認定審査員を務めるなど、何やら凄そうな経歴です。

同じ会社の同僚ですが、働き方も内容も他業種のもので、何を考え、カフェに立っているのか。改めて知れるいい機会だなと思いながら同行しました。(同行はR-DEPOTスタッフ安東が担当。最近は佐久間と一緒にコーヒーカードや豆の販売ラベルのデザインなどを担当しています。)

まちあるきの前にR-DEPOTのカフェ「R-COFFEE」に関して、佐久間から簡単に説明。

「R-COFFEE」という名前を掲げたのもここ最近のこと。元々R-DEPOTは長野門前に暮らす人々の活動拠点だったり暮らしや建物の相談場所を目指してスタートしています。

その一階に構えるカフェは当初あくまで待合所や打合せ場所のようなコンセプトで、何かのついでに利用してもらうことが多い場所でした。

ただ、佐久間が入ってからは、そのコーヒーへの熱量やスキルを活かして、味や提供の仕方、空間体験などにこだわり、どんどんお店が変化していきました。

今ではコーヒーの試飲をしているお客さんと佐久間が語り合う様子や、佐久間が焙煎した豆を買い求めに来てくださる方など、一つのコーヒースタンドとしても確立されてきた感じがあり、名前も「R-COFFEE」として再出発したようなイメージです。

 

続けてR-COFFEで使っているグラインダーやエスプレッソマシンの説明。

特に豆を短時間で挽くグラインダーは自前のものを用意するほどのこだわりです。グラインダーは刃の形が大きく二種類あり、フラット型とコニカル型に分かれるそう。刃の違いによって引いた後の粉の粒の形状が変わり、それによって抽出されるコーヒーの味も変わります。

R-DEPOTでは元々コニカル型のグラインダーを置いていましたが、後から購入したグラインダーはフラット型で、バランスのとれたしっかりした味になるそうです。

現在は両方場合によって使い分けているみたいです。

 

続いて、三種類のカップを用いて参加者さんに飲み比べをしてもらいました。

白いカップがR-DEPOTで使用しているものに近いもの、ピンクのカップとグラスは提供するカップを決める際に候補として比較検討したもの。

コーヒーを飲むカップによっても味わいの変化が感じられるそうで、佐久間の感覚では、

飲み口の薄いグラスは酸味を感じやすく、

飲み口の厚いカップは酸味以外の色んな味を感じやすい。

また、色付きのカップは色のイメージと合わせて、甘さや果実感を感じやすいとのこと。

R-DEPOTでは酸味に慣れていないお客さんにも楽しんでもらうこと、また先入観なくいろんな味を楽しんでもらいたいという思いから、白の厚口のカップを採用しています。

 

私も元々コーヒーが好きでしたが、深煎りの苦味メインのコーヒー感たっぷりの豆や淹れ方が好きで、浅煎りやスペシャリティコーヒーというものに触れたことがなく、敬遠していました。ただ、佐久間がカフェに立つようになってからは、味わい方も教えてもらって、よりコーヒーの楽しみ方の幅が広がったなと感じています。

その裏にはたくさんの知識や試行錯誤による経験があったのだなと改めて感じました。

 

飲み比べが終わったところで、歩いて東鶴賀の「珈琲アウラ」へ。

アウラは今年の5月にオープンした珈琲店で、店主の小倉さんは長野県立大学に在学中、駅前にコーヒースタンド「ODDO coffee」を開業の経験があります。

R-DEPOTスタッフとも同世代で繋がりが深く、佐久間が来る前はODDOから豆を仕入れていたり、店頭に立ってもらうこともありました。また、佐久間にR-DEPOTを紹介してくれたのも小倉さんです。

駅前のODDOでは立地もあり、お客さんの滞在時間は少なめのコーヒースタンドという感じでしたが、アウラでは対称的に静かな住宅街の一角で、音楽や空気や香りを楽しみながらゆっくりと過ごす場所になっています。

R-COFFEEも最近はサッと一杯飲んでいく海外の方なんかも増えてきていて、お店としても対称的な上に、店主の佐久間と小倉さんの話し方やトーンも違いました。参加者さんもアウラでは静かなトーンでゆっくり話すように自然となっていたのがそれぞれの店の楽しみ方を表していて面白かったです。

機械式だけではなく、手動のグラインダーも採用している小倉さん。日本の伝統文化にも興味があり、茶道に通って所作を身につけるために勉強中だそう。

豆を挽く、湯加減を見る、お湯を注ぐ、カップに注ぐなど、一つ一つの行為を丁寧に、自然と目が追ってしまうような動きでした。

器もそれぞれ長野の職人さんの作品を採用。下から二、三段目が通常利用いただくカップで、二段目の広いカップが浅煎り用で香りを感じやすく、三段目の背が高いカップが深煎り用で舌に乗った時の感触などを感じやすいと小倉さん自らの体感も踏まえて使い分けているそう。

そして三種類の試飲をさせていただきました。アウラでは浅煎り・深煎りどちらもあり、同じ品種でも二種類の味わいが楽しめました。

特に深煎りのコーヒーは舌に乗った時の感覚を初めて意識して感じた気がして、店主さんのお話を聞いてから飲むと違うなと感じました。

また精製方法にも種類があり、加工を施すことで味の変化をコントロールできる手法もあるそうで、それによってつくられた味と自然の味どちらがいいのか(どちらも良し悪しがある上で)というような議論もされていました。

 

ゆっくりとした時間を過ごして、最後はほとんど雑談しながらお店に滞在させてもらい、アウラにて解散です。いつまでも長居したくなるような空間でした。

 

今回はまちあるきの中でも、お店の中や店主さんの頭の中により焦点を当てた回でした。伺ったお店も2店舗で普段より少ないですが、その分濃いお話を伺い、お店を長く体感できた上、2店舗それぞれの特徴も感じやすかった印象でした。

そしてそれぞれの店主さんの想いやこだわりは強く、同世代で店主として店を運営している2人に大きくリスペクトを感じる日でした。

ご参加いただいた皆さん、珈琲アウラの皆さんありがとうございました!

 

12月のお知らせ

12月25日(木)13:30~15:30

案内人は長野市埋蔵文化財センター 学芸員の 塚原 秀之(つかはら ひでゆき)さん。

タイトルは、『「石」めぐりの旅』

案内人コメント:大昔から身近な材料として使われてきた「石」。まちなかにある「石」から読み取れるストーリーに思いを馳せます。

持ち物:ルーペ(あれば)

*カフェ休憩時の飲み物代、実費 500円程度必要

コース

表参道両側の縁石

長門町の長野天神

八十二銀行大門町支店

善光寺二天門跡の大石

マゼコゼ(カフェ休憩)

<開催概要>

日時:12月25日(木)13:30〜15:30

参加費:1000円 (U22無料)

定員:10名

申し込み:電話 026-219-2280  メール info@r-depot.com

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