REPORT

表参道の草花スケッチ散歩

2018年5月19日

13:30~15:30
参加者:  3人

 

【案内人】小山利枝子(画家)

 

 

【プロフィール】

篠ノ井の里山にあるアトリエで花をモチーフに制作し県内外で発表。

2016年、文化庁の海外研修で花の国オランダに滞在。

長野市民新聞でエッセー連載中。

 

 

【コース案内】
長野のまちなかにも、ふと見ると、家並みにかかったつたやわずかな隙間から生えている植物があることに気づきます。

善光寺の表参道とそこから伸びる小路を歩き、初夏の草花をスケッチします。

葉書サイズの画用紙とペンを片手に軽やかに楽しく描きましょう。

 

 

【コース】

新小路

ゆっくり歩いて、自分に声をかけて来るような植物を探してみましょう。

そしてちょこっとスケッチします。

ガレリア表参道

常設展示してある小山利枝子の絵画を観て、作家コメントを聞いてもらいます。

表参道(中央通り)

善光寺までを歩きながら、ひっそりと風景に寄り添っている植物を発見し、ちょこっとスケッチします。横道にそれたりして楽しく植物と出会って行きましょう。

ティールーム藤屋

慣れ親しんでいる表参道も、植物に商店を当てて観ると新鮮な発見があるはず。

実際に描いた作品を見せ合いながら、少し特別なお茶の時間を過ごしましょう。

 

 


 

まずは小手試しでスタートです。

みんなで東町の帽子屋さん「atelier anielica(アトリエ・アニェリカ)」のオリーブの木を、さらさらと。

 

「細かく描こうとしなくて大丈夫だからね」

「こういう枝のぐっぐってラインとかさ…」

 

と、ペンを走らせながらポイントを伝える小山さん。

 

 

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「ね、ここ。縮こまっちゃってるでしょ。もっと大胆にいってもいいと思うよ」

「あ、いいじゃ~ん」

 

時々各自にアドバイスも。

 

集合場所でもある「東町ベース」のお花屋さん「flumina flumira (フルーミナフルーミナ)」の鉢植えたちへも移動。

 

 

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「葉脈とかさ、おもしろいよね」

「葉っぱの神様と対話するっていうかさ」

 

小山さんが手を動かしながら楽しげに口にするのは、「上手く描く」とは別世界へいざなう言葉たち。

 

最初は模索しながら動いていたみなさんのペンも、徐々にスピード感が出てきたようです。

 

 

「わぁ~!すてき、もうさっきのオリーブからラインが変わってきてる。いいじゃん!もうさ、こういう絵って楽しんだもん勝ちだから」

 

小山さんも、にっこり。

 

 

 

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そして木の葉や枝を見ながら小路を歩きました。

その先に広がっていたのは、きれいな空。

今度はこれが題材です。

 

 

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「曇って早いよね~。すぐ流れていっちゃう。」と小山さん。

そして振り返りざまに「描けた?」と、にやり。

 

 

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そしてまたみんなで見せ合いっこ。

 

同じ景色を描いてるので難しかったポイントを共有できたり、自分と違った捉え方に新鮮さを感じたりできるようです。

口数も自然と増えてきました。

 

 

 

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新小路の終着点へ。

地面にはこんなにかわいらしいものが転がっていました。

 

 

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お次はこちらを描きます。

さっきは空。今度は地面。360度まちの自然すべてが題材なんですね。

でもスケッチ散歩をしていなかったら私は普通に踏んで歩いていたかもなぁ。

 

 

 

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新小路を抜けて『ガレリア表参道』へ。

 

ここには小山さんの絵が常設展示されています。

花びらをモチーフに、自然のうねり、森羅万象が表現されているとか。

 

色合い的にはそんなに激しくない(と、私は感じた)のですが、風の流れのように見えたり、炎のように見えたり、河の流れや、海のようにも見えたり。

輪廻転生とか、そんなものにも思いを馳せてしまう絵でした。

ぜひ皆さんも観にいってみてください。

 

 

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鑑賞後はまたスケッチです。

ここからゴール(最後のお茶休憩)地点の「ティールーム藤屋」さんまで800メートルくらい。

でもよく見るといろんな植物があるんです。

 

 

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ちょこっと歩いて心に留まるモチーフを見つけては、描く。

そしてまた描く。描く。描く。

 

その集中力のすごさといったら。

 

 

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合間合間に気も配る小山さん。

でもスタート時と違って、もうみなさん、しっかり自分の描きたいものに向かってペンを動かしています。

 

 

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「疲れたよね!? ちょっと休憩!」

ベンチで中休みを取ることになりました。

 

↓お互いの絵を見せあいながら盛り上がるの図

 

 

 

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ちょっとわき道にそれてまたスケッチしたりしながら、お茶休憩へ。

 

 

 

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『ティールーム藤屋』さん到着。

席について小山さんが取り出したのは色とりどりの画材たち。

 

「せっかくだから、さっきの絵にちょっと色づけしてみましょうか」

 

 

 

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「べた~って塗るってよりは、ちょちょっと色を乗せるかんじかな」

と、まずはお手本を。

 

その指先から空がぐっと沸き立ってきました。

 

 

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「かわいい女の子が口紅をちょこんと乗せてる感じ。厚化粧はだめなんだよね」

 

 

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みなさんも思い思いの色を選んで色付けを。

 

 

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そして最後は額(これも小山さん持参)に入れてみました。

 

 

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するとまたガラッと印象が変わるから不思議です。

 

素敵だ!

 

 

 

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作者の方いわく「もう何を描いていいか分からなくなっちゃって」というこちらの絵もとっても素敵じゃないですか…!?

 

 

 

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額に入れたみなさんの作品たち。

お世辞じゃなく本当にどれも素敵でした。

 

 

 

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「スケッチする」という目的と行為があるだけで、地面や空、そして道端の小さな草花にも「おっ!」っとテンションが上がった今回のまちあるき。

 

“スマホでカシャッ”もいいけど、“ちょこっとスケッチ”ももっと流行ってもいいよね~

 

と、みんなでお茶しながら盛り上がりました。

 

 

(同行:大日方)

発酵食の現場を巡る

2018年5月18日

13:30~15:30
参加者:  5人

 

【案内人】山口美緒

編集室いとぐち代表

 

 

【プロフィール】

「人の営みからつくり出される長野県の風景を長く残したい」という思いから、紙媒体を中心に編集執筆を行う。編書に『信州の発酵食』、編集に『日本酒で愉しむ信州の二十四節気』など。

 

 

【コース案内】
味噌や醤油、日本酒に漬物、さらには日本の食のみならず、紅茶やパンにヨーグルト、キムチに生ハムと、暮らしは発行食品に満ちています。発酵は自然の力で食品を長く、おいしく、健康にいただく智恵。そんな発酵食の現場を訪ねます。

 

 

【コース】

能登重

鰹節が発酵食品だと知ったときの驚きといったら。創業250年を越える鰹節専門でその作り方をうかがい、出汁の味わいも楽しんでいただきます。

加藤鯉店

店名は「鯉店」ですが、うなぎ、信州サーモン、シナノユキマスなどの取り扱いも。信州のとある酒蔵の酒粕でつけた信州サーモンがなんとも美味でした。お話を聴きながらちょっと試食。「お酒を持っておいで」とのお言葉に甘えて持参します。

木の花屋

明治創業のお漬物屋さん。昔ながらのものから、ミョウガの梅酢漬け生姜きざみ味噌漬けなど、組み合わせや素材が楽しいお漬物がずらり。自社農場もあったり、信州の伝統野菜を使ったり、素材へのこだわりもうかがいます。

カネマツ

編集室いとぐちの事務所があるシェアオフィス

粉物屋仔猫

手作りの天然酵母でつくるパンが並びます。紅茶、ビール、ワインなど、お好きな発酵飲料とともに楽しみましょう。

 

 


 

 

中央通りを南へ下り「能登重」が最初の訪問場所。

なんと創業300年も続く老舗です。

すべての鰹節が発酵食品ではありませんが、本枯れ節がカビをつけて発酵させたもので、世界で最も硬い発酵食品とも呼ばれています。

 

 

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おかみさん、本枯れ節だけでなく、鰹・宗田・鯖など、それぞれの特徴とオススメの用途を伝授してくださいました。

 

まずはホカホカの白米に本枯れ節削りをのせていただきたい!

 

 

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続いて徒歩数分の「加藤鯉店」へ。

加藤鯉店、川魚だけの販売にとどまらず、味噌や醤油を用いて調理した魚も売っております。

 

山口さんが持参した日本酒を片手に、事前に用意してくださっていた甘露煮やサーモンなどを堪能させていただきました。

 

 

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特に鯉の酢味噌和えは絶品。。。

 

 

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さて一旦中央通りに戻り、ほんの少しだけ奥まった「木の花屋」さんへ到着。

こちらは明治創業の漬物屋さんです。

 

 

 

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日本の漬物の種類は600種類以上らしく、世界一を誇るとのこと。

それもなるほど店内にはたくさんのお漬物が並べられています。

数種類の試食を楽しみながら、あれやこれやの質問が飛び交いました。

 

 

↓ビール漬けや桜漬けが人気だった様子。

 

 

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最後は「カネマツ」内の「粉門屋仔猫」に。

すべてのパンに天然酵母を使用したパン屋さん。

 

 

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パンの酵母といえば、イースト菌ですが、この日は同じパンでイーストと天然酵母の食べ比べ。イーストに比べ天然酵母はもっちりとし、パンそのものの味が楽しめるような印象。

 

少し気温が高いまち歩きだったので、冷たい飲み物も発酵の話も進みました。

 

 

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そしてカネマツ内の奥にある山口さんの事務所も拝見。

発酵に関係するものが至る所に。特にワインや日本酒多かったような、そんなような。

 

 

一つのテーマを切り口に、様々な場所を案内してくださった山口さん。

ご自身の興味はもちろんですが、それ以前に「好き」という想いが伝わってきました。

 

 

「好き」が仕事になり、それを紹介するまち歩きの案内を務め、そこに興味関心がある人たちが集まり、深く知ることができたり新たな場所の発見もあったり。とてもとても素晴らしく、まちに暖かさが広がっていくように感じました。

 

 

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(受付・同行・撮影 高島)

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