REPORT

門前、ハエ活のすすめ

2022年8月20日

8月20日(日)6:00~8:00
参加者5人(うち小学生1人)

 

【案内人】髙野宏平(地球環境科学博士)

千葉県出身・長野市在住。ライフワークはタロイモショウジョウバエの主流化。
全ての信州人が「知ってるよ、サトイモの花粉を運ぶヤツでしょ?」と言うまでに普及することが夢。

 

【コース紹介】

夏の食卓につきもののハエ。「不潔」「うっとおしい」昆虫の代名詞のですが、彼らがしている「仕事」について知っている人はほとんどいないでしょう。
彼らの仲間の生態を知れば、あの姿もしぐさも、愛おしく神々しいものに見えてくるはず。
そしてこの地球のすべてが繋がっていることを思い出すはず。

※可能な方は、いきものコレクションアプリ「バイオーム(Biome)」をスマホにインストールしてきてください。

 

【コース】

門前の街路~城山公園
街路の草木を訪れる昆虫を見つけて、ハエかどうか調べます。
ハエ目は世界に数万種、日本だけでも数千種いると言われています。甲虫、チョウ、ハチの仲間に次いで多いんですよ。
ハエだと思っていない昆虫も、実はハエの仲間かも知れません。

 


 

本日のまちあるきは髙野宏平(地球環境科学博士)さんの『門前、ハエ活のすすめ』。まちなかの草木を観察し、そこに訪れている昆虫から「ハエの世界」へと知見を広げます。

まずは出発前に参加者全員で携帯アプリ「バイオーム」をインストールし、操作の予習を行いました。

撮影した植物や動物(昆虫)をAI解析して名称候補を提示してくれるアプリなのですが、、これがおもしろい!!

早速各自で身に周りのあれこれを撮影して楽しみました。

 

 

小雨が降ってきたので、少し移動。

仁王門の下で雨宿りがてら、高野さんの資料で本日の概要をレクチャーいただきました。

時々出るクイズに挑戦すると、もれなく「アルクマシール」の景品付きです◎

 

 

雨足が弱まってきたので城山公園へ。

 

 

城山公園の屋根付きトイレ前を拠点に、木や花壇を訪れている昆虫を探してみましょう~

 

 

…と、早速昆虫を発見しました!

「おお!!」「いたいた!」

お宝発見モードで盛り上がる一行。

 

 

すかさずバイオームでパシャリ。

 

 

ゲットしました!!

「ホソヘリカメムシ」ということで、カメムシの一種だったようです。

 

 

昆虫を触らず捉えてじっくり観察できるよう、高野さんはこんなものも用意してくれていました。

その名も「触らずむしキャッチリー」。

 

 

スケルトンで、捕獲・観察・リリースまで、ノンタッチで昆虫をお楽しみいただける一品です。(お求めはAmazonにて)

 

 

実際の研究で使われているプロ仕様の虫取り網もご持参いただきました。

 

 

こんな風に振り回しながら歩くと昆虫がたくさん捕まえられます!

 

 

おのおの虫取り網を片手に、いざ、公園の花壇へ!

 

 

早速いろいろな昆虫が網にかかりました!

普段は「うわ…」と思うことが多い昆虫ですが、今日ばかりはどんなものでも捕まえるとうれしくなりますね。

 

 

ベンチにつかまっているオンブバッタや

 

 

高野さんの左肩にとまる蚊でさえも…

※高野さんは研究過程で蚊に刺されることを繰り返しすぎて耐性がついているとのこと

 

 

「触らずキャッチリー」に捕獲してみんなで観察。

 

 

書籍もお持ちいただき、より詳しいお話も伺いました◎

 

 

植物が与える花粉や蜜などの「報酬」と引き換えに、動物(昆虫含む)は花粉を雄しべ→雌しべへと運搬(送粉)する。

この関係性は「送粉共生」と呼ばれるそうで、まだまだすべては解き明かされていませんが、種の生存をかけたこの関係性を成立させるためにそれぞれの植物や動物の形や色、特性があると言っても過言ではないそうです。

 

 

残念ながら本日は「タロイモショウジョウバエ」は見られませんでしたが、

植物と昆虫の「神秘的」ともいえるさまざまな送粉共生の事例もご紹介いただき、生命と自然の果てしない奥深さに想いを馳せることができました。

 

 

山、鳥、植物、ハエ(昆虫)と、自然系のまちあるきが盛りだくさんだった6月~8月。

まちなかの景色の中で、また新たな焦点を絞って楽しめることを体感しました◎

まだまだ、まちの楽しみ方はありますね!

 

(同行:大日方)

 

もんぜんまち落語さんぽ

2022年8月18日

8月17日(水)16:00~18:00

参加者11名

 

【案内人】大槻暁史(蔵人 噺家(見習い・フリー))

江戸時代から続く小布施町の酒蔵、枡一市村酒造場で蔵人として酒造りに携わる傍ら、噺家・鯉登を名乗り、長野市街地の飲食店を中心に落語の公演を行っております。

 

【コース紹介文】

落語には善光寺が舞台となった「お血脈」というお話がありますが、それだけでなく善光寺が出てくるお話は数多くございます。
今回は門前町を歩きながら落語を交えて江戸時代の歴史を見て、聴いて、楽しみましょう。

 

【コース】

楽茶れんが館

善光寺本堂
善光寺が舞台の「お血脈」
ファンタジー要素の強いお話ですが善光寺の歴史と絡めてお話しします。

善光寺境内
「ムジナ灯篭」や「紺屋高尾」など民話や落語にも縁のある灯篭について善光寺由来の怪談など。

熊野神社
「クマノ」とは奥深い神秘の霊地という意味らしく、山岳信仰として、広く詣でられたそうです。
普段通り過ぎてしまっている神社の面白さをお伝えできればと思います。
「三枚起請」というお話にも出てきます。

きもの工房 まつや たんす屋
落語をはじめて、自分で着物を着るようになって感じた着物の良さ、落語の世界に出て来る着物や衣服事情はどのようだったのかお話ししたいです。
また、落語は生で見るのが一番面白いので、店内の特設高座にて一席申し上げます。
落語を知ってもらう、好きになる機会になればうれしいです。

 


 

本日のまちあるきは大槻暁史さん(蔵人 噺家 見習い フリー)の『もんぜんまち落語さんぽ』。

門前界隈を巡り、大槻さんがお仕事で携わられている日本酒や、フリーで活動されている落語をご披露いただきます。

 

 

善光寺にまつわる落語をお話いただきながら、いざ出発です!

 

 

雨が降ったり、止んだりする中、善光寺に”いちばん近い蔵元”である「西の門よしのや」さんに到着。

 

 

さっそく中へ。

 

 

すると試飲会場の中で従業員の皆さんが暖かくお迎えしてくださいました!

 

 

鯉登さんからの日本酒の知識を教えていただきながら、お酒や甘酒の試飲会が始まりました。

 

 

「西の門よしのや」さんでは、日本酒だけでなく、味噌や麹も作っているそうです。

 

 

甘酒は、麹と米で作っているので、甘く、飲む美容液とも呼ばれているとか。

 

 

試飲会の後は、奥にある資料館へ。

 

 

この資料館には、これまでのお酒のラベルや日本酒を作る工程などが展示、説明されていました。

 

 

皆さんお酒の試飲の後というのもあるのか、お酒の歴史などに興味津々です!

 

 

そしてよしのやさんを後にし、表参道の大門町に南下してきました。

普段は何も気にせず通り過ぎてしまうであろうこの神社。かくいう私も存在を知りませんでした。

偶然今日は秋祭りの最中。長野市のなかで一番早いらしいです。

 

 

鯉登さん、宮司さんに解説をバトンタッチ。

 

 

熊野神社の本社は和歌山県の熊野本宮大社で、全国に約3000社もの熊野神社が存在しているそう。

鈴の下についている龍と天女の彫り物(暗くてスイマセン)は江戸時代の伝説的な職人、左甚五郎が善光寺参りに来た時に彫ったそうです。

確かに超が付くほど精巧・・

 

 

にこにこ顔で解説を続ける宮司さん。みなさんも興味津々です。

境内の中にいた地元の方からもつぎからつぎへとお話が。

 

 

お神酒までいただいてしまいました。(私、アワアワ・・・)

 

 

地域の方によって大切に今日まで守られている熊野神社、人の縁とやさしさを感じた瞬間でした。

 

 

熊野神社を出発し、長野駅の方向に15分ほど善光寺表参道を下って、最終目的地へ。

「きもの工房 たんす屋」さんはショッピングプラザagainの4階から移転し、今年の8月1日に新店舗をオープンしたお店です。

 

 

店内にはすてきな着物やゆかたがたくさんあり、すてきなゆかたに心奪われてしまいました。

 

 

「今年まだゆかた着ていないなぁ」「ゆかたを着てお祭りや花火に行きたいなぁ」という方!

こちらのお店では着物の仕立てからお手入れまで包括的にサービスを提供されており「着物はハードルが高くて日常ではなかなか…」というお客さんにも寄り添って楽しい着物ライフをサポートしてくれます◎

着付けのマンツーマンレッスンや店内購入者への着付けサービスなどもあるんですよ~

 

 

それではいよいよお待ちかねの「落語」へ!

今回は「鯉登さん」が「三枚起請」を披露してくださいました。

 

 

会場は超満員!

ゆかたを着て落語を聞きに来てくださった方もいらっしゃいました!

 

 

今回のお話くださった落語は「三枚起請」。

「起請」とは「神仏に誓いを立て、もしそれに背けば罰が当たるだろうと書き記した文書のこと」で、特に恋人同士の約束や商業での約束の際に書かれたものです。

「起請文に嘘を書くと、熊野のカラスが3羽死に地獄に堕ちる」といういわれにまつわる落語なのですが、おや?「熊野のカラス」、、どこかで聞き覚えがありますね。

 

そうです! さきほど立ち寄った熊野神社に関係があるんです!

 

 

落語のオチと今回のまちあるきがつながった瞬間、場の空気が変わったのが分かりました。

最後は落語に詳しいお客様がスマホからお囃子の音楽を流して「落語会場」の一体感は最高潮に◎

 

 

善光寺のお話から西之門よしのや、熊野神社を経て、最後は落語まで楽しむことができた今回のまちあるき。

参加者の皆さんのキラキラとした笑顔が印象的でした。

鯉登さん、ありがとうございました!

 

 

(記事作成:藤森、有賀、植松)

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