門前世界旅歩き
2021年7月17日
16:00~18:00
参加者:10人
案内人:佐藤和子(さとう かずこ)長野市国際交流コーナー 国際交流専門員
【プロフィール】
長野市出身。アメリカ、台湾へ留学。
旅行会社勤務を経て、2009年から長野市国際交流コーナーに勤務。
【コース案内】
いつか旅したあの国、あの街。
門前にもあった世界のどこかへ、ちょこっとトリップしみませんか。
台湾やニューヨークやどこかの面影を感じる場所をご案内します。
※たくさん歩くので運動靴と飲み物を忘れずに。
【コース】
楽茶れんが館
↓
横町・岩石町
行ったことないけどきっとこんなかんじ?
ちょっと異国っぽいところを見つけながら行ったつもりで歩きましょう。
↓
新町
台湾のあの山あの町を感じさせる路地や石段を巡ります。
↓
城山公園
ブロンズ彫刻と重なる海外の銅像を歴史や文化をまじえて紹介します。
↓
県立美術館
近代的な建物と歴史が融合する場所。
ルーブルやMOMAから門前へと想いを馳せます。
今日は佐藤さん(案内人)が旅した海外の面影を感じる場所をめぐるまちあるき。
スタート前にはお手製のガイドブックも一冊づついただきました。
どうやら今日は盛りだくさんな模様です。
冊子を片手に、門前世界旅行にいざ出発です~!
早速立ち止まった一カ所目は
「藤屋御本陳の建物にかかるはしご」。
ニューヨークのアパートにかかっている非常階段の面影です。
外壁の感じやはしごの位置なんかも、言われてみればたしかに!ですね。
今まで藤屋御本陳はまちあるきで幾度となく紹介されてきましたが、また新しい切り口が加わりました。
少し歩いて八幡屋礒五郎裏の建物へ。
ここにあるのは「イギリスで見たレンガ造りの建物」の面影。
信州大学教育学部の旧書庫を忠実に再現した建物で、外壁は「長いレンガの段」と「短いレンガの段」を交互に積んだ『イギリス積み』が特徴です。
今いる場所と海外の思い出の場所、どちらも詳しく、おもしろく教えてくれる佐藤さん。
お次はツタの茂った建物前へ。
ここでは留学中、近所にあったハーバード大学の校舎をを思い出すそうです。
アメリカでツタは「アイビー」と呼ばれ、歴史と伝統をイメージさせるちょっと特別な存在。
校舎にツタが茂った8つの名門校を総称した「アイビーリーグ」という名称もありますよね。
(西洋ツタは落葉しないので年中茂っているという豆知識も)
また少し歩いて今度は『南ヨーロッパのプロヴァンス風の住宅』へ。
素敵だなぁといつも足を止めて眺めていた、という佐藤さん。
住民の方と話す機会があり、中を見せてもらったら中庭(パティオ)もあってイメージ通りの素敵なお宅だったそうです。
ここでは学習塾を経営されているそうで、一同が良い意味で驚く一場面もありました。
※今回立ち寄る許可も頂いているそうです。
こちらは岩石町のフランス料理店前。
『イギリスのガス灯』を思い出す、本物のガス灯を見学。
かつて長野都市ガスのオフィスがここにあったため、本物が採用されているそうです。
そして台湾「阿里山」の森林鉄道入口の石碑を思い出す場所へ。
ここから城山方面へ登ります。
「阿里山森林公園の遊歩道」風の、ジャングルみたいな通路。
まっすぐ進むと、台湾檜を彷彿とさせる巨木がそびえ立っていました。
門前にこんな場所があったんですね~
Uカーブを描いて流れるこちらは
アメリカ・アリゾナ州にある『ホースシューベント』風の川。
馬の蹄のように蛇行しているので『ホースシューベント』という名前が付けられているそうです。
そこからちょっと上を眺めてみると…
今度は台湾の九份にある建物の面影が見えました。
こちらは萬佳亭の建物です。
薄暗くなって灯りがともった光景は、九份の提灯を彷彿とさせるとか。
そして九份のような石階段をさらに登って進みます。
昨日に引き続き、この日も36度の猛暑日!
みなさん汗をぬぐいながら、一歩一歩進みます。
眺めもよくなってきました。
到着ー!!
先ほど下から眺めた萬佳亭の横まで上がってきました。
気持ち良い風も吹いています。
こちらでしばし休憩を。
休憩後は、『ドイツのライン川沿いの古城』風の蔵春閣を眺めつつ城山公園へ。
公園で待っていたのは布施明の若かりしころの銅像。
この銅像を見て佐藤さんが思い出すのは、台湾の「八田興一(はったよいち)」像。
八田興一は台湾の開発に人生を捧げた日本人の一人。
佐藤さんの旦那さん(台湾の方)のご実家がある地域で農業用水用の大規模なダムを建設した功績があり、佐藤さんは今でも「八田さんにはお世話になった。ありがとう」とご近所の方から言われるそうです。
八田氏自身は銅像になること固辞していたそうですが、どうしてもという現地の方々の想いに押され、人を見下ろさない現在のポーズ(八田がよくダムを見ながら考え事をしていた恰好)で建てられたそうです。
じーんとくるエピソード…
参加者一同、これから布施明像を見たら八田興一に想いを馳せそうです。
三沢厚彦作のブロンズ像『ANIMAL2008』は、ニューヨーク公共図書館前のライオン像の面影。
パリの公園のレリーフを思い出させるモニュメント。
長野県立美術館。
山並みや善光寺さんを背景にガラス張りの建物が煌めく姿を見ながら、パリのルーブル美術館やアメリカのコープリーススクエアにも想いを馳せました。
ニューヨーク・マンハッタンにある空中緑道「ハイライン」風の緑を抜けて、
最後は「ニューヨークの近代美術館MOMA・新館」に想いを馳せながら、もう一度県立美術館を違う角度から眺めました。
直線的な箱型の建物、緻密に計算された光と影の効果、周りに配された水や緑との調和、古きを尊び新しさをふんだんに取り入れたを日本人建築家・谷口吉生のお話もうかがいながら。
そんな幻想的な建物の眺めを堪能して、今回のまちあるきは終了です。
…と思いきや、
なんと近くで佐藤さんの旦那さんが冷たいレモネードと台湾ウーロン茶を用意して待っていてくれました!
旦那さんが登場してくださったこと、
たくさん歩いたあとの冷たい一杯、
いろいろうれしくて歓声が起こりました。
たくさん歩いたゴールにこのサプライズはうれしすぎました。
身体に染み入る~!!!
もはやちょっとしたピクニック気分。
解散後に「写真撮ろう~!!」「今日はありがとうね~!」と佐藤さんに駆け寄る方もちらほら。
事前のリサーチ、段取り、当日の参加者の方々への配慮も抜群だった佐藤さん。
まちあるきって、場所巡りももちろんだけど、やっぱり一番の醍醐味は案内人さんの人柄だなぁと改めて思ったのでした。
(同行:大日方)
ゆかたで粋に、知らない世界
2021年7月16日
16:00~18:00
参加者:10人
案内人:山岸由香里(粋kimono&kimono代表 組紐講師)
【プロフィール】
2020年10月起業。
着付けの流派を3つ学び、尊敬する着物の師匠から勧められて組紐にハマる。
一見難しそうな日本の伝統を多くの人達に気軽に味わって頂きたくて。
着物の人を増やそうプロジェクトを楽しく実行中!
【コース案内】
『風の時代』の、日本伝統文化の愉しみ方は…
“粋”な着物や日本の伝統的な「組む」技について、
私なりの目線でお伝えします。
カランコロン カランコロン さて、この音は何でしょう?
答えは、ビールを飲みながら…
※ゆかたでご参加ください
※ゆかたのレンタル、着付けもできます。ご相談ください
【コース】
楽茶れんが館
↓
WABI×SABI
『足袋っくす』って知ってる?可愛い和小物を見よう
↓
柏与紙店
風をおくる、口元をかくす、扇子が活躍。日本文化の粋
↓
H plus HELIOTROPE / manipuri
オシャレすぎるスカーフやバックを和装と一緒にセレクトすることで、粋な着物のトータルコーディネートが実現
↓
MONZEN TERRACE ENYA
ビールをいただきながら組紐の映像を見ます。くみひもカランコロンも体験
今日はゆかた姿で門前の粋な伝統文化に触れ、
山岸さん(案内人)の「組紐」の世界ものぞかせてもらうまちあるきです。
門前とゆかた、やっぱり映えますね~
一軒目は今年4月にオープンしたばかりのWABI×SABIさんへ。
漆器を扱う中村漆器産業(塩尻市)さんが、日常使いできる和小物雑貨を中心に全国展開しているお店です。
山岸さんは上田アリオ店にもともと行かれていて、オープン情報を聞いてからはこちらにも足を運んでいるのだとか。
下駄にも合わせやすい足袋型の靴下や、これからの季節に忍ばせておくと汗対策に便利な手ぬぐいも充実してます。
商品を手に取る姿、お店にとても馴染みますね。(素敵だ~)
最高気温36度の猛暑日だったので早めに切り上げて二軒目へ。
文政11年(1828年)創業の老舗紙問屋『柏与紙店』さんに到着。
店内にはさまざまな質感の和紙、
和柄の和紙、
折り紙、便箋、封筒、絵手紙関連の道具、紙風船に至るまで、
ありとあらゆる和の紙雑貨が並んでいます。
商品を手に取る姿、やっぱりお店に馴染みますね。
そしてお向かいの『H plus HELIOTROPE / manipuri』さんへ。
こちらは今年3月31日にオープンしたアパレルショップだそうです。
ヴィンテージスカーフから着想を得たブランド「マニプリ(manipuri)」の全ラインナップを扱う日本初店舗だそうで、入口のスプレーボトルからすでに世界観が美しい…
店長さんが山岸さんの前職場の先輩だったというご縁で、定休日だったにもかかわらずお店を開けていただきました。
ありがとうございます!
ヴィンテージモチーフだからか、柄は洋風だけど不思議とゆかた姿となじみますね。
日傘もゆかたとよく合いそうです。
目の保養をたくさんした後は、ぱてぃお大門のMONZEN TERRACE ENYAさんへ。
一杯やりながら、山岸さんが講師や商品販売を行っている「組紐」の世界を堪能させていただきます。
すでにディスプレイされていたのは、鮮やかな糸車のかかった組紐の編み機。
そして山岸さんの作品、帯締めです。
組紐は、帯締めやお守りの紐、戦国武将の兜紐などにも用いられていたそうで、編み物や織物との一番の違いは「ほどけない」ということ。
美しいだけじゃなく、とても丈夫らしいです。
昨年10月に「粋kimono&kimono」の屋号で起業した山岸さん。
親類に着物を扱う人が多かったことから20代で着付けを習い始め、いくつかの流派を習得する中で「粋な師匠」と出会ったそう。
その師匠のすすめで「組紐」の勉強を始めたところ、その面白さに開眼!
現在では日本で数少ない「高台」という編み機を得とくするため、埼玉の教室にも入門して組法を高めているそうです。
“着物をもっと日常的に楽しく着よう”というクラブ活動も毎月一回されているとか◎
実技も見学させてもらいました。
「糸車を持ち上げて移動」をさまざまな方向に繰り返すことで出来上がっていく組紐。
シンプルな動作でカラン、コロン、と糸車を移動させていく様は、なんだか神々しささえ感じます。
こうして作られた作品は「配色や力加減や、組方の間違えも込みで“世界にひとつだけの組紐”になるんですよ~」と山岸さん。
そんなことを聞くと、もういろいろな方の帯締めに目が行って止まらなくなりました。
一本の組紐に広がる世界観、、、おもしろい!
(同行:大日方)
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