REPORT

着物で表参道のお花さんぽ

2024年5月2日

4月25日(木)13:30~15:30
参加者:10人

【案内人】
宮島 麻由子 《 みやじま まゆこ》((株)まちづくり長野 事業推進担当)

服飾系の学校を卒業後、アパレルメーカー、呉服屋勤務を経て、2023年12月、(株)まちづくり長野に入社。呉服屋では主にパブリシティ業務担当。季節に一度は着物を着て出かけるようにしています。いつか十二単を着てみたい!

【コース案内】

善光寺表参道に沿って、小さな庭があるのをご存知ですか?参道に面した各商店の木々や草花を愛でながら着物でおさんぽ。そんな風情ある時間を一緒に過ごしてみませんか。

※ぜひ、お着物でご参加ください。

【コース】
楽茶れんが館

柏与紙店

文政11年創業。黒漆喰の蔵造りの前庭と季節を感じる飾りや置き物、匂い袋など心を和ませる和雑貨を楽しみましょう。

松葉屋家具店

まちの中にある“ちいさな森”。なぜここに“ちいさな森”がつくられたのか…。込められた想いをお聞きしながら“ちいさな森”の芽吹きを感じましょう。

駿専 (名)青木商店

明治5年創業。格子、右からの横書きの看板、そして“香”と染め抜かれた暖簾が目を引く蔵造り。線香、ろうそくでは善光寺御用達のお店です。こちらの前庭の彩をお香の香りと共に楽しんでみましょう。

杏菓子本舗 利久堂

創業から60年、手造りの伝統を守り続ける杏子菓子本舗。高級感漂うお店の前庭と杏、茶器や陶芸も一緒に味わいます♪ ※実費必要

4月25日(木)、「ながの門前まちあるき」を開催しました。案内人は、宮島麻由子((株)まちづくり長野 事業推進担当)です。今回のテーマは、“着物で表参道のお花さんぽ”です。

善光寺表参道に面した各商店の店先には、それぞれ植栽があります。ようやく、春の陽気で色づいた“小さな庭”の、木々や草花楽しみながら門前をおさんぽするコースです。また、春はお着物でお出かけしたくなる季節でもあります。今回は、参加者の皆さんには、お着物でご参加いただき、門前の“和と彩と香”をご案内しました♪

集合場所の楽茶れんが館から、裏の駐車場に抜ける道は“小さな椿のトンネル”になっています。今は赤い花は咲いていませんが、とても雰囲気のあるステキな“小路”です。

今回のコースには載っていませんが、(株)まちづくり長野に入社して3ヶ月ちょっとの間に、善光寺門前界隈を少しずつ知るようになったので、せっかくなので、道中にあるオシャレなお店もご紹介しつつ、最初のお庭「柏与紙店」を目指します。

(上段右)Mallika Brewing[マリカブルーイング]

言わずと知れた人気のブルワリーですね(^_^)

(下段左:写真中右側)Café Le Garçon[フェ・ル ・ギャルソン]

古民家をリノベーションした二階建ての店内はまるでパリにいるかのようなのとてもおしゃれな雰囲気。キッシュとカフェラテや、クロックムッシュにエスプレッソはいかがでしょうか。お酒の提供もしています。

(下段右)お香の店 古薫

玄関先からお香のいい香りが漂います。お香を始め、匂い袋、塗香、煉り香、アクセサリーなどの和雑貨もあり、テンションが上がります♪古薫さんでは、制作体験メニューもあります!

この他、(写真はありませんが)この通りには神具・祭礼用品専門店「能登屋商店(1845年(弘化2年)創業)」もあります。昭和58年に、長野県神社庁推奨店に指定され、神社仏閣まわりのものから、お祭用品、神棚まで、何でも揃います。

国宝善光寺 表参道大門町界隈は、長野市でも最も古い街の一つです。この“大門町上商店街(だいもんちょうかみしょうてんがい)”は、平成8年の中央通りの整備にあわせ大きく変わりました。電線等が地下化され、アーケードが撤去、沿道には丁石を兼ねた自然石の道標が設置。大門町の歩道は片側5メートルの拡幅、車道も石畳舗装となりました。国道と交差する参道入り口には常夜灯を移転設置し、松や桜、富士、かえでを植え、“善光寺の前庭”がつくられました。この、大門町で交差する国道406号までの大門町上区の“善光寺の前庭”は、他の商店会とは造りが違い、そのこだわりようは特別なものだそうです。これを手掛けたのは、当時、京都在住のアメリカ人青年だった、造園・建築家のマーク・ピーター・キーン!日本の歴史的景観を理解し、その美しさを生かしながら地域の個性を反映する街路のプランニングは、驚きと感動だったようです。

マークさんが青島まで行って手配してきた車道や歩道の石。特に歩道の紅色花崗岩は、機械で均一に削った石ではなく、一つ一つ手で削られた6サイズの石を、一つ一つ組み合わせて敷き詰めています。なので、他とは違って、石が浮き上がってカタカタしたり割れたりしていません!当時のまま、一度も修理等することなく現在も美しく保たれています。

植栽に関しては、植栽マスの前のお宅がそれぞれ手入れをするという、京都の町家の前の坪庭を参考にした提案や、洋花は植えず和の樹木や草花に限定、左右合わせて300万円の入口の松、そして、“町のシンボルとなるようなしっかりした存在感の桜を”ということで、あちこち探し回って選ばれた東北の桜…等々、善光寺の前庭は、何時間も語れるほどのエピソードがあるようです!(先日、ちょうど前庭のお手入れをされていたお店の方から、お話を伺うことができました(^_^)大門上商店街ホームページの「まちのこれまで」をご覧頂くと当時のお話が掲載されているとのことです!http://zenkoji-daimon.com/

せっかくなので(笑)、ぱてぃお大門の“蔵楽庭”も寄り道して…。(^_^)

柏与紙店

文政11年創業。黒漆喰の蔵造りの店内には、和紙や飾り物、匂い袋など、様々な心和ませる和雑貨があり、見ているだけでも可愛くて楽しめます♪

柏与紙店さんは、前庭だけでなく、実はお店の奥の敷地にも素敵なお庭があります。今回、特別にご配慮いただき拝見させていただくことができました!!

 

地面(下)だけでなく、目線の空間にも花の彩があります♪素敵ですね。心が穏やかになります(^_^)

京都の町屋の前の坪庭のように、歩く人目に楽しい善光寺表参道の前庭です♪

松葉屋家具店

松葉屋家具店には、“ちいさな森”があります。「ちいさな森の 報告書」を片手に、滝澤社長さんが、大事に、大事につくる“ちいさな森”へ案内してくださいました。

お着物ですが、みんなで森を歩いてみました(笑)

2017年の6月2日からはじまった“ちいさな森”のこれまでが詰まった「ちいさな森の 報告書」。

―山と森、記と人々の暮らしを一本の糸に繋げたい―

「森の中にまちがある。一歩」そのまたはじまり

ある日あるところ、善光寺界隈を森にして お店も、人々の暮らしも ぜんぶ森の中にあったらいいなと思った人がいました。

木を植えて、ここを森にしようと考えました。

日々の暮らしや、仕事の場所が 森の中って「いいね」と共感する人がひとり増え ふたり増え 10人になり、100人に、いつしか人々はちょっとした空き地があれば 1本の木を植える、また1本植える、そしてまた1本植える。それが当たり前になりました。

時はすぎ、100年後、善光寺界隈は大きな大きなこんもりとした鎮守の森となって その森の中に 善光寺と、お店が、人々の暮らしや仕事場が包まれて そしてたくさんの人々が その森に引き込まれるようにやってくるようになりましたとさ。

なんてね。

陽の光で輝く眩しいほどの森の緑が目に飛び込んできます。

思いっきり深呼吸したら、心身ともに空気が浄化され頭の中にがすっきりします。

なんて気持ちいいんだろう!

最高ですね!!

 

最後に店内を拝見させていただきました。木の香りが堪りません(^_^)

駿専 (名)青木商店

明治5年創業。格子、右からの横書きの看板、そして“香”と染め抜かれた暖簾が目を引く蔵造りの建物。線香、ろうそくでは善光寺御用達のお店です。

仕事でお世話になっているお店で、いつも店先にお香の良い香りが漂っています。今日は、薔薇の香りとのことでした。お香の香りと共に、青木商店さんの前庭を拝見しようと思っていましたが、なんと!諸事情により、今年から植栽を辞退することになってしまったとのこと…!でも、そんなリアルな現状も知れたところで、今日はゆっくり店内を楽しませていただきました♪。

杏菓子本舗 利久堂

創業から60年、手造りの伝統を守り続ける杏菓子本舗。「銘菓 あんず姫」は有名です(^_^)

この日対応してくださった近藤さん。草を取ったり、日々のお花のお手入れの様子を丁寧お話してくださいました。高級感漂うお店の前庭は、色とりどりだけれど、シックな雰囲気の前庭でした。

善光寺界隈から、昭和通りまで、各店や街並みの木々や草花を愛でながら、春の陽気と和を感じながら2時間ほどかけて歩いてきた着物さんぽ。歩き疲れた体に、ご厚意で頂いたお茶とあんず姫でほっこり(^_^)とても美味しかったです!

杏などの“ソフトサンデー”も食べたり、お買い物をしたり、参加者さんも、思い思いに楽しまれていました♪

せっかくお着物を着ているので、お着物コーデを一部ご紹介★

ちなみに、案内人のコーデは、

デニム生地のお着物に、竹久夢二の絵が描かれた帯です。

遠くは、須坂市から参加してくださったみなさん。お着物好きのご縁で繋がった方々です♪

お着物を着ていると、やはり、最後は、みんなで集合写真(笑)。華やかで心躍ります!

実は今回のコースは、キャンセル待ちも出ていて、残念ながら参加出来なかった方もおられました。着物好きとしては、沢山の方に興味を持っていただけたようでありがたい気持ちでしたが、同時に、それだけ、お着物を着たい、着てみたいと思っている方も結構たくさんいらっしゃるんだな、と改めて思いました。(お着物企画はいつも人気だそうです。)

今回は春ということで、花や緑を織り交ぜながら、門前の“和と彩と香”をお着物とともに楽しんでいただけてたなら嬉しく思います!

今回のまちあるきでもまた、普段は入らないようなお店や、街の建物や景色の美しさ、その街のストーリー等々、新しい発見や再確認ができました!

やっぱり、まちあるきって、いいですね!

(でも、着物で歩くには、ちょっとハードなコースだったかも…!?案内人の反省点です(^_^;)(笑))

≪撮影:高野、写真提供:田子様≫

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