REPORT

残された下町の裏路地散策

2023年6月23日

開催日:2023年6月20日

時間 :13:00~15:00

参加者: 11名

 

【案内人】

柳澤彩(着物の殿堂まるため 勤務)

 

【プロフィール】

長野市生まれ。旅行会社で国内外の添乗員と仕入れを経験。以前より活動していた着物の道を進むと決断し転職。

四季を感じられる着物文化が好き。職人の想いが詰まった着物スタイリングのサポートをしている。

 

【コース案内】

善光寺表参道から一つ裏の道を歩くと細い路地があります。かつては長屋に人が住み、専門店がありました。時代の変化により車が流行り、広い道路が必要となり、

川に蓋をし、長屋や専門店の多くは駐車場やマンションへと姿を変えました。残された路地を、日本の情緒を感じながら一緒に散策しませんか。

 

【コース】

楽茶れんが館

諏訪町

御紋章の職人さんが住まわれていた長屋があります。かつては日常着だった着物。正装の着物には紋を入れますが、現代でいう平服にジャケットを羽織ると正装というのが着物にも

ありました。普段着の着物に紋入りの絵羽織を羽織る。参観日などで活用された今はほとんど見ないアイテムです。

西後町

「すや亀」や「長水パン屋」の裏側には川が流れていますが、現代は塞がれて車が通る道になっています。その川は中央郵便局向いの松本染め物屋の裏にある川です。

川があるところには染め物屋さんがあります。

問御所町

現在SBCの建物のある場所に清水小路と呼ばれる場所がありました。そごう、千歳の湯があり、その裏には川が流れ、奥には長屋が残されています。

権堂町

フルーツ屋、肉屋、呉服・洋品店が並び賑わっていた権堂。Cafe&ワインバーMIKENEKO STANDで好きな路地について話しませんか?


本日のまちあるき企画は、『残された下町の裏路地散策』。

着物店で働かれている案内人の柳澤さんは、当日素敵なお着物で登場されました♪

当日はかなり気温も高く、日差しも強かったですが皆さん熱心に柳澤さんのお話を聞いておられます(^^)

柳澤さんは長野市の中心市街地でお生まれになったとの事で、小さな頃からたくさんこの辺は歩いていたようです。

そんな柳澤さんの幼少期のエピソードと共に、裏路地を沢山教えていただきました♪

↓この感じ、いいですよね~(柳澤さんの着物がまた相乗効果です♡)中心市街地とは思えない、古き良き風景です。

手前には、今では長野はここだけではないかという紋章を入れてくれるお店が。ここ以外にお願いするとすればもう京都に送るしかない、という位貴重な存在との事!


次に向かう道もなかなか普段は通らないところで、参加者の皆さんも「初めて通ったかも・・」とポツリ。

この駐車場も、昔は幼稚園があった場所のようです。檀家さんでないと入園できないところだったとか・・!

↓こちらは『長野県立大学後町キャンパス象山寮』、旧後町小学校 跡地です。昔は幼稚園や小学校が沢山まちなかに合ったのですね・・・

続いては西後町方面へ。

↓お味噌で有名な「すや亀」さんの裏側になります。昔は川が流れていましたが、現在は塞がれ車が通れる道になっています。

この場所についたところで、柳澤さんがエピソードトークをして下さいました。

小さいころ、幼稚園の帰りにすや亀さんの味噌ソフトをよく食べたとの事♪

今も変わらず残るお店も、よく使っていた裏道を通ることでさらに思い出がわき上がってきますね。

すや亀さんの裏は、駐車場になっています。

駐車場がいびつな形をしてるのには諸説あるとの事・・

ところでこの辺、さっきからめちゃくちゃ良い香りが漂っています。。何でしょう??

良い香りの主は「長水パン工場」さんでした!ほんとにいい匂いなんです・・ずっとこちらに居たらお腹が減ってきますw

↓こちらは長水パン屋さんの穀物保存庫です。まるでタイムスリップしたような歴史ある建物ですね!

↓こちらもレトロ感漂うカフェ。昔ながらの「喫茶店」という方がピッタリな感じですね(^^)


さてさて続いては問御所方面へ。

実はこの辺が地元だという柳澤さん。今はSBCの建物になっていますが、かつては「千歳の湯」さんという銭湯があったとの事。

柳澤さんも小さい頃、よくご家族に連れられ通っていたのだとか^^

その道を逆方向に少し戻ってみると、

稲荷の向こう側には小さな小道が!

現在も長屋で生活されている方も居られますが、建物が老朽化してきてもなかなか修理できないというような事情があるとのこと。

消防法等の都合でどうしようもできず、朽ちていくか無くして駐車場などにするしかないというのも悲しいですね(;_:)

そんな思いをしながら歩いていると、何やら新しい建物が建設中でした・・

↓こちらにも新しいマンションが建設中です・・!

未来へ向かって沢山の新しい建物ができるのは良いことでもありますが、その一方で

それができる前の街並みだったり、雰囲気はもう二度と感じることが出来ないと思うと、少し寂しくもあります。。

しばらく歩いているとこんな素敵な路が!

参加者さん、「なんだか映画に出てきそうな風景だな・・」と一言。本当にそんな雰囲気を醸し出しています。

時間の経過だったり、多くの人々の生活がそこにあったのだと感じられる場所は、やはり新しい物には出せない良さがありますよね。


暑い中をたくさん歩いてきたので、冷たい飲み物をいただきに権堂アーケードへ。

日差しが避けられて快適です♪

柳澤さんによると、昔は商店街にお肉専門店や飴のお店もあったようです。

今回おじゃましたのが「Cafe&Wine stand MIKENEKO STAND」さん。東京・広島で飲食店経験を積んだ長野市権堂出身の店主が、

地元を盛り上げたいという思いで権堂商店街内に2022年12月1日オープンしました。

ガラス張りのオープンな空間の店内はテーブル・カウンター席に加え、お店の外でも楽しめるよう席が用意されていました。

メニューもなんだかオシャレです♪

カフェとしてもバーとしても利用できるお店で、一人でも気軽に入りやすそうな雰囲気でした^^

皆さんお好きなお飲み物とともに、今日歩いた路地裏散策について語りあいました♪


本日の企画は定員10名を上回る、11名もの方に参加いただきました!(序盤に沢山の予約を頂いたため、柳澤さんのご厚意で定員数を増員させていただきました。)

案内してくださった柳澤さんの地元という事もあり、幼少期のお話や通っていた場所などエピソードも聞けて

また新たなまちの魅力を感じることができました。

諸外国のように歴史がまだまだ浅い国では「古き良きものを大切に」という考え方にそこまで執着がないようです。

だからこそ外国の方にとっても、日本のように歴史が古い国で大切に残されている伝統・文化・建物に魅力を感じてもらえるのかもしれませんね。

コンピューターもインターネットもない時代に作られた建造物はまさに職人の知恵で、そこから学べることもまだまだ沢山あると思います。

『故きを温ね新しきを知る』という精神が、これからのまちを盛り上げていくカギになるのかもしれませんね^^

 

【同行・記:高野・中田】