REPORT

あの頃の自分とあるく

2022年11月24日

10:00~12:00

参加者:1人

 

【案内人】
青木寛和(古着屋TRIANGLE主宰/長野県立大学グローバ ルマネジメント学部)

栃木県小山市出身。辰年魚座猫派。散歩をするときは音楽や芸人のラジオを聴いたりします。最近はフワちゃんのラジオが好きです。要チェックや!!

 

【コース案内】
4年前に大学に入学するために長野にきました。

長野に抱いていた印象は「オリンピック」「自然豊かで良いっぽい」ってくらいで、知らない土地に飛び込む不安と期待でいっぱいでした。
それから色々な出会いにつられて、今では長野のことが好きです。

このまちあるきのお誘いを受けてから、寮から大学までの道にのこった一年生の頃のじぶんの影を追ってみました。
風景とじぶんの心の移り変わりを感じながらまちを歩いてみようとおもいます。

 

【コース】
楽茶れんが館

FORETCOFFEE
あの頃、 学校に行きたくない時に外にでるきっかけにしていたコーヒースタンド。

多様で美味しいコーヒーやスタ ッフさんとの会話がたのしい。進路相談もよくしていた。

壁に書かれた大きなイラストや空間を引き締める家具がすご魅力的。善光寺へ の参道に続く道にある。

善光寺通りから大学に向かって歩く
お店は多くないけれど緩やかな坂の道。
坂の多いまちに憧れがあったので、それは長野を好きになる理由のひとつになった。

野良猫が多いのもポイントがたかい。

大学はちょっぴり遠いけれど、晴れて気持ちいいといいですね。

長野県立大学
長野に来るきっ かけになった場所。
旧長野県短期大学。自分が入学した4年前に開校した大学で、これからどんな文化ができていくのかたのしみ。

建物がきれいでいい。学内はいつも少し静か。

シンカイ
学校の帰り道によく寄 っ ていた公園のようなお店。
あの頃と店主や店の雰囲気は変わ っ ているところもあるけれど、大切なかわらない場所。

アオキの友人でもある21歳の店主に迎えられ、くいっと引き込まれる本や雑貨が楽しめます。

TRIANGLE
大学の友人と始めた古着屋です。
地域の方に力を添えていただきながら、 精一杯におもしろがっ て運営している大切な場所です。このお店にこもっている想いや思い出を服を見てもらいながらお話しできたらと思います。

 


 

本日のまちあるきは、青木寛和さん(古着屋TRIANGLE主宰/長野県立大学グローバ ルマネジメント学部)の「あの頃の自分とあるく」。

大学進学で長野に住み始め、2年後には仲間とともに「古着屋TRIANGLE」を立ち上げた青木さんが、どのようにまちや人と関わり、何を感じて今に至るかを街並みとともにたどります。

 

まずは西後町の象山寮へ。

長野県立大学は、入学すると1年生全員が寮生活を体験します。

 

 

男女別々の建物が真ん中の通路でつながっており、2人1組のお部屋やキッチン、トイレなどの共用スペースがあるとか。

 

「入ったころはコロナじゃなかったので、たこ焼きとか鍋とかみんなでやりましたね」と、青木さん。

 

参加者の学生時代の話も飛び出し、それぞれの思い出話に花が咲きました。

学生時代、懐かしいなぁ…

 

 

お次は表参道沿いにあるコーヒースタンド「FORETCOFFEE」へ。

 

 

栃木から長野に進学してきた青木さん。

なんとなく学校に行きたくない時に、外出のきっかけにしていたのがこちらのお店でした。

魅力はおしゃれで落ち着く店内の雰囲気と、気さくなスタッフの方々。

雑談だけでなく、進路相談もよくされていたそうです。

 

 

「ここもけっこう好きな通りなんですよね~」という田所町通りを通って県立大学キャンパスへ向かいます。

 

この通りは、お豆腐屋さんや酒屋さん、薬屋さんなど、寺町周辺の商店街のなごりを感じる坂の道。青木さんはもともと「坂の多いまち」に憧れがあったそうで、この地形は長野を好きになった理由のひとつだとか。

野良猫をよく見かけるのも青木さん的には高ポイントだそうです◎

 

 

道端は秋の草木がたくさん。

ナンテン、ピラカンサス、ザクロ、ヘクソカズラの干からびた実とツル、ラベンダー(←これは夏ですね)などなど。

参加者の方と「これもきれい!」なんて言いながら歩きました。

 

 

菊も満開!

「いつもの通学路だけど、逆にこんなところまで見てなかったなぁ」と青木さん。

「まちあるき」を目的に歩くと、見慣れた景色にもいくつも発見がありますよね。まさにこの企画の醍醐味です。

 

 

長野電鉄の線路にかかった「よこやま橋」を通過。

長野駅の地下から市役所前駅、権堂駅、善光寺下駅を通過して、この橋から電車がちょうど地上に出てきます。

 

 

「栃木にいるとき、『長野って地下鉄あるらしいよ』って聞いてびっくりしたんですけど、来てみたらこれのことだったんですよね。笑」と、青木さん。

 

 

通り沿いでは柿の木もたくさん見かけました。

「干し柿作ったことある?」なんて話や、青木さんが毎年、ご近所の方々と野沢菜を漬けている話もしながらてくてく…

 

 

こんな二股に分かれた川にも出合いました。

 

 

そうやって歩いていると、小さな遮断機から「カンカンカン」と警報音が。

「せっかくだから、地下から電車が上ってくるところを見たいですね」と一同待機。

 

 

…と、思ったら逆方向から来ました!

慌てて手を振る一同に、「ファ~ン!」という汽笛で答えてくれる車掌さん。

一同、テンションアップ!!

 

 

あっという間に三輪八丁目へ。

三輪は広いですね~

 

 

こちらは三輪小学校。

「大きい校舎だけど、今もこんなに子供たちがいるのかな…?」なんて思いを馳せながら北上すると、

 

 

また白い建物が見えてきました。

「ここは何かしら?」(参加者の方)

「ここがキャンパスです」(青木さん)

 

…えー--!?笑

何だか全然思っても見ない角度からキャンパスに到着しました。

 

 

東へ進むと、イメージ通りのTHE・県立大学のキャンパスがお目見えです。

 

 

旧長野県短期大学。4年前に開校したできたてほやほやの大学です。

校舎の中には関係者以外は入れないため、見取り図を見ながらイメージを膨らませます。

 

 

学校とは思えないほどのおしゃれな建物。

青木さんは「建物はきれいだけど、もうちょっと学生が使いこなして箱に温かさが入ってくるといいなぁ」とのこと。

これからどんな文化ができていくのかたのしみですね◎

 

 

「魚の骨みたい」と参加者の人が指さした雲も楽しみながら、キャンパスを後にします。

 

 

キャンパス入口からまっすぐ南下する道沿いには「暮らす店 花と実」という素敵なコーヒー屋さんもありました。

 

 

集合場所である「楽茶れんが館」のお向かいにあるコーヒー店、「薫蔵」さんのオーナーご夫婦が切り盛りされているお店だそうですよ。

 

 

モダンな平屋とお庭に、ちょこんとある縁側も素敵でした。

当日はポカポカ陽気。

こんな日に縁側でコーヒーなんて…最高ですよね。

 

 

帰りはちょっと冒険して、青木さんの通学路から外れた路地を通ります。

道すがらの家の佇まいや、置物などにもよく目をこらして…

おもしろいものがたくさんありますね~

 

 

知らない道を通りましたが、迷わず長野大通りまで出られました!

 

 

善光寺下駅から東へ進んで「シンカイ」へ。

こちらは元々は地元の大学生が「住み開き」していた地域のコミュニティスペースであり、現在はその場の良さをさらに拡張して「Huuuu」という全国のローカル情報を発信する編集チームが運営している場所。

 

 

当時の店長さんやお店に集う人たちとも顔なじみになり、青木さんにとっては“学校の帰りによく寄っていた公園のようなお店”だとか。

 

 

店内には“くいっと引き込まれる”本や雑貨がたくさん◎

現在の店長・長崎さん(お仲間の結婚式で不在)も、青木さんにとっては友人であり、この場所に立ち寄りたくなる存在(理由)のひとりだそうです。

 

 

毎週日曜日の朝には、青木さんがホストとなって「朝ごはん会」も開かれているとか。

 

 

シンカイから岩石町へ続く路地を通って南下します。

 

 

岩石町界隈では西宮神社の宵えびすで出店がにぎやかでした!

 

 

国道406号線を渡って東町へ。

「ここら辺にくるとなんだか“ホーム”に来たって感じがしてきますね。笑」

 

 

最後は権堂アーケードを通り「古着屋TRIANGLE」へ。

 

 

こちらは青木さんが在学中に友人と3人で(=トライアングル)始めた古着屋さん。

最近まで1ヵ月近くお店を休まれていて、ちょうど本日(まちあるき後)からお店を再開されるそうです。

 

 

店内には、青木さんたちが地域の方々から譲り受けた思い入れのつまった洋服がたくさん。

「おじいちゃん、おばあちゃんの家に眠っていた洋服も、今の若い子たちはけっこう自分たちの感覚でおもしろがって着こなしてくれるんですよ」と、青木さん。

 

 

お洋服は持ち込みであったり、電話をいただいて車で受け取りに伺うこともあるそうです。

見方や使い方によって、新たな楽しみ方や物としての存在感が生まれるんですね。

 

(↓このディスプレイは、もともとは活版印刷の活字印入れ。)

 

 

店内には「トライアングル」にちなんで三角目が書き込まれた達磨さんたちも並んでいました。

 

 

お店をお休みしていたのは、「なんだか楽しくなくなっちゃったから、そういうのはよくないなと思って」という流れから。

リフレッシュ期間として、店内の壁を塗ったり配置換えをしたりしてお店を整えていたそうです。

 

続けるために、きちんと立ち止まって自分と現状をすり合わせる。

青木さんの4年間の移り変わりを一緒に歩いてみたら、目の前に広がる無限の可能性に自問自答しながら歩を進める芯の強さを感じました。

 

(同行:大日方)