REPORT

スマホで「門前文化財ものがたり」

2021年9月17日

10:00~12:00

参加者:2人

 

案内人:竹田友紀(長野市役所 T係長)

 

【プロフィール】

土地・建物の関係で30年戯れる。近々「関ケ原の合戦」に出陣します。
「エルヴィン、お前は新兵を連れて死んでくれ。ケモノは俺がやる。」(byリヴァイ兵長)

 

【コース案内】

国宝善光寺門前の7カ所の国登録有形文化財。
その美しい景観を携帯電話で撮影し、貴女の心の白い日記に「門前文化財ものがたり」を綴り始めましょう。
当日は、美しさにレスポンスできる研ぎ澄まされた感性をお持ちください。
「頭で考えるな! 心で感じろ!」

※携帯電話(写真撮影機能のあるもの)を持ってきて!
※2キロくらい歩くので、歩きやすい靴と飲み物をオモッチー!
※膝をついて撮影するよ~ん。軽装だぁぁぁぁぁペコ
※写メ撮影の初心者対象だよ~ん!分かった?(゚д゚)(。_。)ウン

 

【コース】

楽茶れんが館

楽茶れんが館
旧信濃中牛馬動詞会社社屋 平成19年10月22日指定等

THE FUJIYA GOHONJIN
藤屋旅館 平成9年6月24日指定等

門前商家 ちょっ蔵おいらい館
旧三河屋商店店舗兼住宅、土蔵、味噌蔵、倉庫 平成18年11月9日指定等

中澤時計本店
平成15年2月26日指定等

長野聖救主協会
平成18年11月9日

信州大学教育学部書庫
旧長野県庁書籍庫 平成20年7月23日指定等

株式会社三原屋
三原屋商店 平成15年4月8日指定等

 

 


 

門前の「国登録有形文化財」7カ所をまわる本日のまちあるき。

案内人の竹田さんから、撮影に関するレクチャーを受けて出発です。

 

 

最初は集合場所でもある楽茶れんが館(旧信濃中牛馬合資会社社屋)。

 

 

明治45年に建てられた建物で、2007年に文化財に指定。

ここでは廊下、通路、道などを撮影する際に利用できる「1点パース」の撮影方法や、特徴的なレンガ積みの撮影ポイントを伝授いただきました。

 

 

レンガ造りの建物には必ずある、ステンドグラスの「明かり窓」も個性が出る見どころ。

 

 

お次は藤屋御本陳。

大正13年に建てられた建物で平成9年に指定。

こちらは木造鉄筋コンクリート建ての建物。上部に明かり窓もあります。

 

 

少し離れて全体感を撮影します。

 

 

その様子を店頭から見ていた永寿堂のご主人に、「ここら辺のことだったら私に聞くといいよ」と大門町の歴史を少し教えて頂いたりもしました。

(ありがとうございました)

 

 

「木肌の違う3本が並んでいるのを撮ってもおもしろいわね」と参加者のかたが一言。

たしかに。写真に収めようと思うと、街並みの違った面白みが浮き出てきますね。

 

 

「これも古いレンガ造りの建物かしら?」と参加者の方。

「ここは八幡屋礒五郎の社長が子供のころに遊んでいたご近所にあった旧長野県庁書庫を再現した建物ですよ」と、別の参加者の方。

「このモデルになった建物も後で見に行きますからね」と竹田さん。

 

 

そして、この一帯に点在する映画「転校生」のロケ地も紹介してくれました。

 

 

西宮神社では善光寺七福神巡りの紹介なども。

 

 

石垣の路地を抜けて古録稲荷神社の前を通り、武井神社へ。

 

 

道を渡って『ちょっ蔵おいらい館』に到着。

江戸時代後期に建てられ、平成18年に指定されました。

東側から建物全体を撮影します。

撮影あるあるですが、よいポジションを探しているといつの間にか道路に出ていることってありますよね…

 

 

なたね油を扱った豪商、三河屋さんの建物は各所に意匠が光ります。

施設内では「ビードロ」と呼ばれる、今では珍しい技法で作られたガラス窓も見学しました。

 

 

家紋の入った瓦や、資産であるなたね油を火災から守る頑丈な窓のついた土蔵もありました。

 

 

お次は中澤時計本店へ。

大正13年に建てられ、平成15年に指定されました。

 

 

竹田さん指定の撮影ポイントから見上げるように建物を捉え、3つの焦点を意識してシャッターを切ります。

(おお、立体感が!)

 

 

ぱてぃお大門へ寄ってトイレ休憩。

 

 

ぱてぃお大門から長野聖救主協会へ国道406号線を西に向かって進みます。

道中の沿道にある新井大正堂書店は平成13年に長野市景観賞を受賞した建物。

 

 

長野聖救主協会に到着。

明治31年に建てられ、平成18年に指定されました。

 

 

こちらは本物のレンガ造りの建物。

現在市場に出回っているレンガより一桁高い高温で長時間焼き上げるため、丈夫さが段違いだとか。

一カ所だけステンドグラスになっている部分は、司祭台に光が当たるように計算されてるらしいです。

 

 

「ここ!この位置で撮影してね」と竹田さん。

 

 

また、竹田さんが指さす空を見上げると、太陽の光の輪が。

 

 

「こんな構図でね」と、また竹田さんの指示を受けて太陽と教会をカメラに収めると…

びっくりするくらい神々しい写真が撮れました。

陽の高さや時間帯も計算してのこの教会のコースだったそうです。竹田さん、お見事。

 

 

信州大学教育学部をぐるりと回って旧長野県庁書籍庫へ。

道中では秋の風物詩にも出会えました。

 

 

信州大学教育学部書庫(旧長野県庁書籍庫)到着。

明治28年に建てられ、平成20年に指定されました。

 

 

書庫だけあって、それぞれの窓も防火対策が万全です。

今は教育学部のコミュニティホールとしてピアノなどが置かれているとか。

 

 

八幡屋礒五郎さんの建物、たしかにそっくりです◎

 

 

旧書庫周辺の茂みでだいぶ蚊にさされつつ、最後の三河屋商店店舗・土蔵へ。

こちらは明治5~10年ごろに建てられ、平成15年に指定されました。

 

 

建物の解説もしていただき、

 

 

個人的には「なまこ壁」と呼ばれる壁の装飾の意味を知ることができたのが良かったです。

 

 

屋根の角度や壁の質感、天候や風向きなど、「撮影」という視点を通じてまた新しい街並みを見ることができた時間でした。

 

 

 

(同行:大日方)