REPORT

新米飼育員の動物園ガイド

2023年5月25日

開催日:2023年5月24日

時間 :13:30~15:30

参加者: 1名

 

【案内人】

塚田 泰佑(一般社団法人長野市開発公社 城山動物園 主事)

 

【プロフィール】

幼い頃から動物園が好きで、今年4月から慣れ親しんだ城山動物園で飼育員として働いている。37頭のニホンザルの顔と名前を一致させることに奮闘中。自宅ではカメをはじめ爬虫類を数十匹飼育している。

 

【コース案内】

善光寺北側に62年前から桜の森・市民の憩いの場として佇む城山動物園。飼育されている動物たち、動物園の生い立ちについて4月から新米飼育員として働く案内人がガイドします。城山公園内や道端に生える植物に注目し、自然観察も行います。

 

【コース】

楽茶れんが館

城山公園周辺

城山公園周辺の自然観察をしながら動物園へ向かいます。植物や動物に詳しくなくていい!自然の見方をお話しします。

カリフォルニアアシカのプール

今年で開演62周年となる城山動物園で開園当初から絶えず飼育され、動物園のロゴマークにもなっているシンボル的存在です。

ニホンザルのサル山

こちらもアシカと同じく開園当初から飼育されています。37頭のニホンザルにはそれぞれ名前が付けられています。

ペリカンのすみか

城山動物園には4羽のモモイロペリカンが暮らしています。面白い生態をお話します。

ハイラックスのコピエ

4月にオープンした施設。ハイラックス?コピエ?これであなたもハイラックス博士!


今回のまちあるきはいつもと違うテイスト。

案内人は、この4月から城山動物園の飼育員として働く塚田さん。

明るく爽やかな方で、子供のころから動物園で働くのが夢だったとのことで、語る言葉の端々から動物園と動植物への情熱を感じます^^

 

そんな塚田さん、仕事ではもちろんプライベートでは家でカメをはじめとする動物を飼われており、

まさに第二のムツゴ○ウさんと言っても過言ではない程の動物博士です!

そんな塚田さんと共に、早速出発です(^^)/

城山公園周辺にて、まずは自然観察を♪

自然観察指導員でもある塚田さん、自然の見方も教えていただきます。

↓よく見るごく普通の葉・・と思わずに、「何でこういう形なのか?」と深く意味を考えるのが好きな塚田さんにならい、

一緒に考察してみましょう!

なぜこんな突起が鋭い?なぜ葉の輪郭にギザギザ?なぜ葉脈が均等できれい?

理由が分かれば、見慣れたものでもまた違ったものとして捉えられます♪

ハッキリとした答えはなくとも、意味を見出して考えるという事が大事ですね。


以前、この辺で鳥(ミゾゴイ)の声が聞こえたとのこと。


皆さんお待ちかね、【城山動物園】に到着です!

長野市民の憩いの場、去年は20万人もの来場者がいらっしゃったとのこと。

動物園開園は62年目ですが、それより数年前に飼育が開始されているアシカ!!

運よくお食事シーンを見る事が出来ました。

ちなみに今召し上がり中のドレミちゃん(メス)体重は80キロほど。

この時奥で泳ぎ中のシュン君(オス)はなんと300キロ!!

塚田さんによると、野生のアシカはハーレムで、オスは多くのメスと共に暮らすので

繁殖をするには体を大きくする必要があるからなのだとか・・・にしても3倍近く大きいのはすごい・・!!


続いて、塚田さんイチオシカメ展へ!

分かりやすく、参加者も皆さん興味深々です!

沢山のカメ達がいたのですが、抜粋してご紹介します♪

 

エントリーナンバー①セマルハコガメ選手↓

特徴:名前の通り背中が丸い

特技:外敵に襲われそうになったとき、手足を引っ込めて完全防御ができる

エントリーナンバー②:オーストラリアナガクビガメ選手

特徴:ヘビのように長い首(あと顔がめちゃかわいいです・・♡)

特技:長い首を甲羅の中に巻き付けるように収納できる。

2選手とも、本当に魅力的です・・!!

また、①と②の形が少し違うな?という事に気が付きました?

①のカメは形が球体=防御力が高い→陸で生活をするカメ

②は①に比べて平べったい→水の中で生活するカメ、と言うことが分かりますね♪

塚田さん、本当に勉強になります。。

 

他にも、塚田さんの家族の一員であるカメ達や↓

手のひらサイズにも満たない小さなかわいらしいカメ、

はたまた100キロ近くまで成長するビッグサイズのカメ(※甲羅に付いてるテープ下にはデータ取得用の装置が。)

こんなにたくさんいますよーー!!

他の生き物に比べ、代謝が低くて無駄なエネルギーを使わないと言われてますが、

それがカメの長生きの秘訣なのかもしれませんね。

人間も、省エネで燃費良く生きる人の方が長生きだったりして・・


カメを堪能したあとは引き続き塚田さんの案内で園内を散策♪

長野ではここでしか見れないというハイラックス(イワダヌキ)。

ちなみに「コピエ」とは、

です!!wコピエを作るなど、動物が生活しやすいような環境づくり、素晴らしいですね。

そんな城山動物園ですが過去に、*エンリッチ大賞というものも受賞されてます!納得。。

*エンリッチとは、飼育動物の福祉向上(豊かな暮らし)のための方法を指す言葉。このエンリッチメントに取り組む園や飼育員を応援し、また
市民と動物園をつなぐことを目指して 2002 年に創設されたのが「エンリッチメント大賞」。

 

他にもいろんな動物や、学びにもなる工夫の凝らされた展示が沢山ありました♪


最後は塚田さん担当のサル山。

塚田さんがエサをあげるタイミングで園内にチャイムが流れるのですが、それが流れた瞬間にサルたちがそわそわ・・

声を発し出しました!もう分かってるんですね・・学習能力がすごい・・・

「ボスは存在しない」と塚田さん。

ただ、最も順位の高い存在というものは居り、それがα(アルファ)と呼ばれています。

αはケンカに負けると順位落ちすることがあるようです。

ちなみに、毛並みがきれいなサルはαかもしれません・・見た目がいいという事はケンカで誰にも傷をつけられていない証拠といえます。


いや~本当に充実した動物園ツアーとなりました。

「人生で動物園に来る機会は4回来る」と塚田さん。(子供時代→デートで♡→親になって自分の子供と→年を重ねて孫と)

何回来てもまったく違った景色や気持ちになるんでしょうね♪

塚田さんは動植物に関わらず、「皆が〈なぜこれはこうなのか?〉と意味を考えることに貢献出来ればうれしい」

と仰っていました。

AI等の技術により、答えが一瞬で出せてしまう時代だからこそ、無知の知を認識していかないと!

と今日を通して実感しました。

 

最後に・・・癒しのカメレオンもいましたよ!

手が可愛すぎる(*’▽’)枝をつかみやすいようにこんな形なのかな?

ちなみに世界の一部の地区では・・周りを入念にじっくり観察する様子から、カメレオンを【賢者のシンボル】になっているようです。

辛抱強く周りを知ろうとする姿、私も見習います・・・!!

新米・・いやもうベテラン飼育員塚田さん、本当にありがとうございました!

(同行・記:中田)