信州の薬膳暮らし
2021年5月22日
13:00~15:00
参加者:12人
案内人:久保田飛鳥(ナチュラルレシピズ代表)
【プロフィール】
職業は母、趣味は薬膳・漢方研究。
軽やかに、シンプルに心地よく生きるために役立ちそうなヒント『自然の処方箋』を配信中。
「知識は学ぶことで知恵となり、知恵は生きる術となる」をモットーに、料理教室・レシピ開発などを南県町にて開催しております。
【コース案内】
『薬草』と人の結びつきが古くからある信州。
ちょっと身近なところにある薬草を知って、生活のシーンで使ってみる楽しさを体験してみませんか?
【コース】
楽茶れんが館
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表参道・善光寺
何気ない道端や庭先などにある薬草をご紹介。
薬草と信州の歴史についてお話しを致します。善光寺ならではの薬屋さんのご紹介もします。
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レストラン ラン・コントルの庭
信州大学建築学科のプロジェクトとしてこちらのお庭を整備しました。ハーブやお料理に使用する食べるお花などのご説明を致します。
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八幡屋礒五郎
長野では有名な七味。
長い歴史の中で生まれた食の知恵と7つの薬草についてご説明をさせて頂きます。オリジナルの七味ブレンドが出来るサービスについてご紹介します。
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れんが館
薬草茶を召し上がって頂きながら、薬草ブレンディングのヒント、薬膳の概念をご説明します。美味しいお茶の入れ方、体調ごとに使用する薬草の違い、薬草とスパイス、ハーブの違いも学習します。
前日、当日と大雨が心配された(実際、前後は降っていた)今回のまちあるき。
幸運にもお天気が持ちこたえたので、空に感謝しつつ一部コース順を変更して駆け足でスタートです。
まずは善光寺表参道の植栽へ。
端からひょっこり顔を出している「ヨモギ」。
草餅にも使われるため、別名「餅草(モチグサ)」とも言うそうです。
私たちにとっては雑草的な…、あまりにも身近な存在。
このヨモギも、実は薬草。
生葉は止血(山で遭難して怪我したら傷に刷り込むとよし◎)、
干した葉のお茶はお腹や貧血などにも効果があり、精油にしてもお風呂に入れてもいいのだとか。
メモしきれませんでしたが女性におすすめの効能もあるそうです。
すごいぞ、ヨモギ。
お話を聞きながら庭で育てられないかな、と思い始めた自分がいました。
お次は長野県民おなじみの『八幡屋礒五郎 本店』へ。
久保田さんいわく、七味は「食べる薬」。
食事に取りれられる漢方薬的存在です。
辛味と香味がある薬草をバランスよく調合しており、血流や免疫改善をサポートする効果もあるのだとか。
おいしいだけじゃなくて身体にも良いんですね。
お店では好みの配合でオリジナル七味も作れるそうです。
お次は東町まで足を延ばして、レストラン『ラン・コントル』のお庭へ。
こちらの中庭は、2017年、久保田さんが信州大学佐倉研究室と開墾した場所。(くわしくはこちら)
育てられた野菜やハーブは『ラン・コントル』のお料理にも使われています。
お庭に植わったさまざまなハーブの解説を端から順に。
噛めばスッキリ清涼感を得られるものや、お料理の味付けの定番、ヤケドに刷り込めば水ぶくれを防止してくれるものまで。
ひとつの薬草にも使い方によってさまざまな効能があって目からうろこです。
もっと詳しく知りたい~
でも、ネットやテレビの情報を鵜呑みにするのはちょっと慎重に。
たとえばラベンダーは「リラックス効果」で有名ですが、実際は「覚醒効果」が強いハーブ。
商業的な背景から意図的に作られた情報もあるので、正しい知識を得るのが大切です。
ドクダミ。
10個の薬効を持つので別名「十薬」。
干した葉をお茶で飲むと活性酸素を除去して疲れが取れる優れものだそうです。
からし菜。
種をすりつぶして油分を絞って粉状にしたもので「和からし」や「ねりからし」ができます。
西洋からし菜の種を使っているのがマスタード。
このからし菜で作ったからしやマスタードは絶品らしく、一度食べたら市販のものには戻れないとか。
肉にも魚にも、何にでも合うそうで「一回作ってみてほしい!すっっごくおいしいから。」と、久保田さん。
心から思ってる言葉って、説得力がありますね。(食べたい!)
こちらは花粉症の人におすすめなハーブ「ポリジ」。
合間には毒性のある薬草のお話も。
大体のものはバケツ一杯くらい大量に摂取しなければ死に至りませんが、それでもしっかりした知識は大切。
漢方は聖徳太子の時代に日本独自の発展を遂げたものですが、その裏では薬草探しで誤った草を食べた役人が命を落としたこともあったとか。
とはいえ、久保田さんのお話はめちゃくちゃエネルギッシュ&コミカル!
聞けば聞くほど、不思議と「身近だな」「私にもできそう」と思えてきます。
聞くだけじゃなく、実際に食べてみたり、
嗅いでみたり。
摘みたてハーブの試飲もこのあと行います。楽しみ。
ハーブは葉の裏に香りのカプセル(みかんの皮のツブツブもそれ)があり、摘んだ瞬間から徐々にそれが弾けてしぼみはじめます。
だから何といっても摘みたてが一番◎
入口付近にはサンショウの葉も植わっていたりと、まだまだじっくり見たいお庭でしたが、お天気も気になるので歩を進めます。
元善町の『コヤマ薬局』さんへ。
こちらも長野県民おなじみの「百草丸」と、
秘薬「雲切目薬」。
雲切目薬は薬事法の改正で石膏が使えなくなり、主成分や製造元などが変わっていますが、かつては薬草も用いられていました。
最後はれんが館に戻って、お待ちかねの薬草茶の試飲です。
3種類の薬草茶と、先ほど摘んだフレッシュハーブのお茶を飲み比べましょう~
ひとつひとつ、じっくり説明をうかがってからお茶をいただきます。
立ち上る湯気。
香りと色も楽しみます。
「良薬は口に苦し」という言葉もありますが、身体が必要としていれば「おいしい」「良い匂いだな」と自然に感じるそうです。
お茶は、
①ティーバックから薬草茶を出し、②沸騰した湯を、③高いところから一気に入れて5分くらい待つ
これだけでおいしく淹れることができます。
お湯の流れでポットの茶葉がぐるぐるまわることがポイント。
フレッシュハーブティーのブレンドは、
①香りの強いハーブを少し、②2番目に香りが強いハーブを①の2割、③あとはお好みのものを少々
で出来上がり。
クセがあるのでお湯を注いだら長めに待って、レモンやはちみつを加えるとより飲みやすくなるそうです。
今回の試飲ではレモンやはちみつは入れませんでしたが、あまりにおいしくてびっくり。
香りがとにかく良くて、ほのかに甘かったです。
こんなインスタントラーメンくらいの手軽さでフレッシュハーブティーが飲めるなら、一日の終わりに毎日庭から摘んできて飲みたいです。本当に。
と、こんなかんじで当日の5%くらいの情報量でお伝えしましたが、詳しく知りたい方は久保田さんのお店(南県町)やホームページ、YouTubeも確認してみてください◎
今回のまちあるきで、私たちは口にするもので身体と心を作っているという、当たり前のことを思い出しました。
薬膳の世界にちょっとわくわくしています。
(同行:大日方)
まちなかデザイン探訪
2021年5月21日
14:00~16:00
参加者:6人
案内人:中村安志(長野市 都市整備部 市街地整備課 課長補佐)
【プロフィール】
市役所に建築職員として入庁。
都市整備部関係と建築関係を半分ずつ経験し、現在は市街地整備課に従事する。
【コース案内】
景観とは何でしょう?
景観法という法律はありますが、景観の定義はありません。
辞書によると「目に映る景色、風景、ながめ」などを指すそうです。
市の表参道に対する景観の取り組みを、まちをながめながらお話しします。
【コース】
楽茶れんが館
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表参道と建築物
長野市景観賞は、人々の景観に対する意識を高め、良い景観の想像を推進することを目的としています。建築物の改築にあたり、表参道や周辺の建物と調和するように配慮された作品について紹介します。
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表参道と歩行者案内
まちなかに設置された歩行者案内標識。必要な人には「見つけやすく」、不要な人には「目立たない」。デザインや色の工夫などお話しします。
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表参道と石畳
表参道の石畳は善光寺から新田町まで続いています。石畳化や歩道拡幅の整備にあわせた路上パーキング施設の廃止や大型標識の撤去などにより、通りを見上げると善光寺まで一望することができるようになりました。
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セントラルスクゥエア
昨年度オープンしたまちなかの広場です。表参道とのつながりや施設の紹介をします。
今回はまちあるき史上初、参加者全員が男性でした。自己紹介ではそのほとんどの方が“景観のプロ”だということも判明。
案内人・中村さんのハードルがぐんと上がった状態で、まずは『竹風堂大門店』からスタートです。
過去に長野市景観大賞受賞歴のあるこちらの建物。
見るからに歴史を感じますが、実は築15年。
こんなに街並みになじんでいるのは、外壁塗装や屋根・窓の形にいたるまで、周辺の建物や歴史性に配慮した造りだからだそうです。
3階は少し引っ込んだ造りにして通りへの圧迫感を減らしたり、2階窓は旧建物の手すりや窓のデザインをわざわざ取り入れたり。
そんな解説を聞いたら、見慣れた建物が新鮮に見えてきました。
お次は『藤屋御本陳』へ。
こちらは長野市で初めて国の登録有形文化財になった建物で、景観計画においては「景観重要建造物」にも指定されているとか。
建物保全のため、建物に何かしらの手を加える場合には長野市に許可が必要になるそうです。
直近で許可したのは「ハト除け」の設置。
こんな些細な(?)部分に手を加えるだけでも許可が必要なんですね。
景観重要建造物。すごい。
お次は仁王門へ。
参道の石畳の配列はこの門を境に変わります。
表参道からこの門までは12列。ここから本堂までは16列に。
この石の張り方は人の流れの方向を示す意味もあるそうで、歴史的な参道などにはよく使われるのだとか。
門の下は人の流れを切る結界の意味を持つ「四半張り」。
立ち止まってほしい場所などによく使われる石の張り方だそうです。
人を進ませたり、立ち止まってもらったり。デザインの力っておもしろいですね。
お次は昨年、仲見世通りにオープンした『つちも物産店・スターバックスコーヒー』。
スタバの中では甲信越初の「リージョナル ランドマーク ストア(富山環水公園店、京都二年坂店など、日本各地の象徴的場所に建築デザインされ、地域文化を世界に発信する店舗の総称※公式HPより)」です。
「善光寺門前にスタバが!!」と、巷でもかなり話題になりました。
こちらのお店も長野市景観賞を受賞していますが、そこには「伝統と新しさが融合した新しい門前の景観」への市の期待も込められているそうです。
今ある良さを失わない進化する伝統。私も楽しみ…
そしてここでは門前周辺が「景観計画による高さ制限の区域」として、大規模な建築行為をする際は高さを制限(15m以下)をかけられるというお話も伺いました。
制限数値15mには、市が行っているさまざまなシュミレーションの根拠もあります。
お次は参道入口にある案内看板へ。
必要な人には「見つけやすい」、不要な人には「目立たない」よう配慮された看板。
周辺の街並みにもなじむよう、長野の伝統的な色である“黒味をおびた紺色(褐色:かちいろ)”を基調にしています。
お次は本日2回目の登場「景観最重要建築物」。中澤時計店さん。
藤屋御本陳と同じく大正13年(97年前)に建築された、木造2階建て、外観を鉄筋コンクリートで仕上げた建物。
1階2階それぞれが非常に高く造られているのがちょっと珍しいそうです。
たしかに。
南下して『長野信用金庫大門町支店』へ。
こちらは中澤時計店さんに比べて低層な造りに見えますが、鉄骨の3階建て。
表参道側は伝統的な景観に、裏(南面)側は隣接する洋風建物にも配慮されていて、交差点角という立地を生かした「伝統的意匠」×「現代的意匠」なデザインが特徴だそうです。
南側まで続いている軒先は、歩道への落雪防止も兼ねたデザイン。
門前は冬場になると「落雪注意」が張られたコーンが軒先に並ぶんですよね。
(そういえば昔、ぼーっと歩いていて頭に氷みたいな雪が落ちてきて痛かったなぁ…)
駅から歩いてくると、すっと視界が開けて善光寺さんが一望できる表参道。
ここにも石畳化や歩道幅の拡幅、植栽帯の整備など、さまざまな工夫が施されていました。
コンセプトは「石畳を一本と時間軸として、長野駅から善光寺へ現代から古の仏都へ誘われる」。
大切にされていたのは「連続性のあるまちづくり」でした。
最後は『セントラルスクゥエア』。
その昔オリンピックの閉会場として沸いた場所が、駐車場を経て、まちなかの広場として昨年生まれ変わりました。
中央の噴水や奥に設置された遊具「ふわふわドーム」は子どもたちにも大人気。
表参道の石畳と色合いを合わせ、歩道からのつながり・一体感を出す工夫もされています。
見るからに歩道からふらりと立ち寄りやすいですよね。
善光寺表参道は、長野市のメインストリート。
古くから人が行きかったこの通りの景観を、市がとても大切に考えていると具体的に知ることができたし、今の姿になっている意味を詳しく知ることができて、表参道を捉える自分の目の解像度が上がった気がします。
毎日お仕事、お疲れ様です。
これからもよろしくお願いします。
(同行:大日方)
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