城山てくてく実験映像ラリー
2021年9月18日
14:00~16:00
参加者:4人
案内人:月原はる菜(映像ディレクター)
【プロフィール】
長野市出身 東北芸術工科大学 映像学科卒業。
在学中から映像制作を始め、卒業後は映像制作会社に3年間務めたのち独立。現在は、CMやドキュメンタリー制作、MVなどのディレクションと編集を行うかたわら、実験映像制作やVJとしての作家活動も行っている。
【コース案内】
「かわいい」「あかるい」「むずかしい」「刺激的!」「食べてみたいなぁ」などといった形容詞や感情を、まちに点在する物体に重ね、映像でとらえてみる実験。城山エリアは、新しい美術館のオープンに合わせ、古くからある施設の改修が計画されています。
私にとっても皆さんにとっても、思い出のつまったこの場所で、感情を被写体に置き換えてカメラを回す。思った以上の傑作が出来上がるかもしれませんよ。
お手持ちの動画撮影が可能なカメラで、月原が毎回指示する言葉に合う物体を制限時間内にどんどん撮影していいましょう!
最後は上映会をします!
※持ち物:動画撮影可能なスマートフォンかカメラかビデオカメラ(いずれもSDカードかmidroSDカード収録できるもの)
【コース】
楽茶れんが館
↓
長野県立美術館
撮影
↓
城山動物園
撮影
↓
楽茶れんが館
編集と上映とティータイム
参加者がカメラをまわし、実験的な映像作りを楽しんでみる今回のまちあるき。
案内人である映像ディレクターの月原はる菜さんから、事前説明をうかがいました。
今回の撮影は、月原さんが学生時代に経験した実験映像授業の簡易バージョン。
6人がカメラを回し、「かわいい」「あかるい」など、講師から出される10個の形容詞にあてはまると思うものを10秒間ずつ撮影していきます。
その後編集し、6人分の動画を一画面上に流して、共通のお題でそれぞれがどんなものを映しているのか観てみよう、というものです。
それぞれの撮影機器の使い方を確認して、出発です◎
撮影場所一カ所目、城山公園。
撮影対象が被らないようにするため、できるだけお互い離れて撮影を開始します。
この撮影には感性と瞬発力、双方が求められます。
「つよそうなもの」「まるいもの」「ふわふわしたもの」「ちょうどいいもの」「青い物」
15秒くらの感覚で次々と出されるお題に、歩き回るみなさん。
撮影は「お題に合っているか」より「自分がどう感じたか」でOK。
「つよそうなもの」のお題で、近くで遊ぶ親子のお父さんの背中を撮っている方もいました。
なんかいいですね。
と、ここで曇り空でなんとか持っていた空から急に雨が激しく降ってきました。
傘のない方が3人。どうしましょうね…と思いきや、参加者内で相合傘と俺は大丈夫の会話がポンポン出て問題はすぐ解決しました。
みなさん、対応力がすばらしいです。
その後、車から3本傘を取ってきてくれた市役所・富井さんのおかげで、城山公園に着くころには無事全員に傘が行きわたりました。
かなり雨が激しくなってきたので、受付のテントをお借りして撮影前の打ち合わせを。
「赤い物」「青春なもの」「なつかしいもの」
さまざまなお題にカメラをまわして、善光寺さんを通って楽茶れんが館に戻ってきました。
みなさん、ひとまずお疲れ様です。あたたかい飲み物で一息つきましょう。
その間に月原さんは全員の映像を集めて編集。
編集しながら流している音楽もなんだかいいかんじです。
完成!
(月原さん、ありがとうございます)
さっそくみんなで鑑賞します。
真剣。
時々「おっ」「なるほど~」「あ、かわいい」など感想も漏れます。
実際の映像を観ないと伝わらないかもしれませんが、本当に見入ってしまう映像でした。
とてもおもしろかったです◎
撮影するものに個人の素の部分が現れるからでしょうか。
お互いそんなにたくさん話したわけではないのに、今回は参加者同士の距離感が近づいていた気がします。
作品を観せていただいたり、お話も伺ったりして、月原さんへの親近感も(一方的に)増しました。
宇都宮からふらりとご参加いただいた建築士の方と、月原さんのお知り合いで参加した方の出身校(宮城県)が一緒だったことも道中判明したりしていました。
門前で起こったご縁の奇跡!
(同行:大日方)
スマホで「門前文化財ものがたり」
2021年9月17日
10:00~12:00
参加者:2人
案内人:竹田友紀(長野市役所 T係長)
【プロフィール】
土地・建物の関係で30年戯れる。近々「関ケ原の合戦」に出陣します。
「エルヴィン、お前は新兵を連れて死んでくれ。ケモノは俺がやる。」(byリヴァイ兵長)
【コース案内】
国宝善光寺門前の7カ所の国登録有形文化財。
その美しい景観を携帯電話で撮影し、貴女の心の白い日記に「門前文化財ものがたり」を綴り始めましょう。
当日は、美しさにレスポンスできる研ぎ澄まされた感性をお持ちください。
「頭で考えるな! 心で感じろ!」
※携帯電話(写真撮影機能のあるもの)を持ってきて!
※2キロくらい歩くので、歩きやすい靴と飲み物をオモッチー!
※膝をついて撮影するよ~ん。軽装だぁぁぁぁぁペコ
※写メ撮影の初心者対象だよ~ん!分かった?(゚д゚)(。_。)ウン
【コース】
楽茶れんが館
↓
楽茶れんが館
旧信濃中牛馬動詞会社社屋 平成19年10月22日指定等
↓
THE FUJIYA GOHONJIN
藤屋旅館 平成9年6月24日指定等
↓
門前商家 ちょっ蔵おいらい館
旧三河屋商店店舗兼住宅、土蔵、味噌蔵、倉庫 平成18年11月9日指定等
↓
中澤時計本店
平成15年2月26日指定等
↓
長野聖救主協会
平成18年11月9日
↓
信州大学教育学部書庫
旧長野県庁書籍庫 平成20年7月23日指定等
↓
株式会社三原屋
三原屋商店 平成15年4月8日指定等
門前の「国登録有形文化財」7カ所をまわる本日のまちあるき。
案内人の竹田さんから、撮影に関するレクチャーを受けて出発です。
最初は集合場所でもある楽茶れんが館(旧信濃中牛馬合資会社社屋)。
明治45年に建てられた建物で、2007年に文化財に指定。
ここでは廊下、通路、道などを撮影する際に利用できる「1点パース」の撮影方法や、特徴的なレンガ積みの撮影ポイントを伝授いただきました。
レンガ造りの建物には必ずある、ステンドグラスの「明かり窓」も個性が出る見どころ。
お次は藤屋御本陳。
大正13年に建てられた建物で平成9年に指定。
こちらは木造鉄筋コンクリート建ての建物。上部に明かり窓もあります。
少し離れて全体感を撮影します。
その様子を店頭から見ていた永寿堂のご主人に、「ここら辺のことだったら私に聞くといいよ」と大門町の歴史を少し教えて頂いたりもしました。
(ありがとうございました)
「木肌の違う3本が並んでいるのを撮ってもおもしろいわね」と参加者のかたが一言。
たしかに。写真に収めようと思うと、街並みの違った面白みが浮き出てきますね。
「これも古いレンガ造りの建物かしら?」と参加者の方。
「ここは八幡屋礒五郎の社長が子供のころに遊んでいたご近所にあった旧長野県庁書庫を再現した建物ですよ」と、別の参加者の方。
「このモデルになった建物も後で見に行きますからね」と竹田さん。
そして、この一帯に点在する映画「転校生」のロケ地も紹介してくれました。
西宮神社では善光寺七福神巡りの紹介なども。
石垣の路地を抜けて古録稲荷神社の前を通り、武井神社へ。
道を渡って『ちょっ蔵おいらい館』に到着。
江戸時代後期に建てられ、平成18年に指定されました。
東側から建物全体を撮影します。
撮影あるあるですが、よいポジションを探しているといつの間にか道路に出ていることってありますよね…
なたね油を扱った豪商、三河屋さんの建物は各所に意匠が光ります。
施設内では「ビードロ」と呼ばれる、今では珍しい技法で作られたガラス窓も見学しました。
家紋の入った瓦や、資産であるなたね油を火災から守る頑丈な窓のついた土蔵もありました。
お次は中澤時計本店へ。
大正13年に建てられ、平成15年に指定されました。
竹田さん指定の撮影ポイントから見上げるように建物を捉え、3つの焦点を意識してシャッターを切ります。
(おお、立体感が!)
ぱてぃお大門へ寄ってトイレ休憩。
ぱてぃお大門から長野聖救主協会へ国道406号線を西に向かって進みます。
道中の沿道にある新井大正堂書店は平成13年に長野市景観賞を受賞した建物。
長野聖救主協会に到着。
明治31年に建てられ、平成18年に指定されました。
こちらは本物のレンガ造りの建物。
現在市場に出回っているレンガより一桁高い高温で長時間焼き上げるため、丈夫さが段違いだとか。
一カ所だけステンドグラスになっている部分は、司祭台に光が当たるように計算されてるらしいです。
「ここ!この位置で撮影してね」と竹田さん。
また、竹田さんが指さす空を見上げると、太陽の光の輪が。
「こんな構図でね」と、また竹田さんの指示を受けて太陽と教会をカメラに収めると…
びっくりするくらい神々しい写真が撮れました。
陽の高さや時間帯も計算してのこの教会のコースだったそうです。竹田さん、お見事。
信州大学教育学部をぐるりと回って旧長野県庁書籍庫へ。
道中では秋の風物詩にも出会えました。
信州大学教育学部書庫(旧長野県庁書籍庫)到着。
明治28年に建てられ、平成20年に指定されました。
書庫だけあって、それぞれの窓も防火対策が万全です。
今は教育学部のコミュニティホールとしてピアノなどが置かれているとか。
八幡屋礒五郎さんの建物、たしかにそっくりです◎
旧書庫周辺の茂みでだいぶ蚊にさされつつ、最後の三河屋商店店舗・土蔵へ。
こちらは明治5~10年ごろに建てられ、平成15年に指定されました。
建物の解説もしていただき、
個人的には「なまこ壁」と呼ばれる壁の装飾の意味を知ることができたのが良かったです。
屋根の角度や壁の質感、天候や風向きなど、「撮影」という視点を通じてまた新しい街並みを見ることができた時間でした。
(同行:大日方)
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