クセカルチャーさんぽ
2024年7月29日
7月24日(水)16:00~18:00
参加者:1人
【案内人】
森 康平 《 もり こうへい》(デザイナー/アートポスター屋経営)
埼玉出身。東京、千葉、インド沈没を経て長野へ。独立をきっかけに3年前に長野に移住した家族(妻娘)、音楽、ダンスと自然をこよなく愛する髭ロン毛。座右の銘は「紆余曲折末広がり。」
【コース案内】
あぁ、あの外観のお店ね。知ってはいるけどちょっと怖かったりイマイチ1人だと入りづらい。長野市に点在するそんなお店たちを夕涼み散歩でご案内します。一緒に入ってみればあれ?案外居心地良くて好きかも?って感じてもらえるかも。皆さんのまちの遊び方が広がるきっかけになれば嬉しいです。
【コース】
楽茶れんが館
➡POPPHA Art Poster Shop
アートポスター屋、事務所、コワーキング、たまり場を兼ねたイケてるスペース。そうです私がオーナーです。
➡近所の川
いい感じの川沿いの細道を歩きます。考え事や何も考えたくないときにピッタリの散歩道。落下注意。
➡シーシャ場 en
色んな味のシーシャが吸えるのはもちろん美味しいご飯やスイーツも食べられる実家のような安心感のあるお店。ついつい長居しちゃう。 ※のみもの料金別途
➡GUEST HOUSE Pise
長野市で不思議な場所TOP of the TOP。入ると各国様々な神々がお迎えしてくれます。入らない人は絶対入らない。一部の人はなぜか吸い込まれていくそうな。 ※のみもの料金別途
➡SAMBO SAUN
Piseの奥にある謎の扉を開けると奥にはさらに異世界の空間が広がります。そうここはサウナ。ご希望の方がいれば一緒にレッツサウナ。 ※先着5名/料金別途
7月24日(水)、デザイナーアートポスター屋経営森康平さんの「ながの門前まちあるき」を開催しました。テーマは、“クセカルチャーさんぽ”です。
色々なお仕事を経験され、様々な人生経験を積み、独学でデザインの勉強を始め、独立をし新しいデザイン事務所を立ち上げられた案内人の森さん。コロナの時、“都会じゃなくたって、どこでも仕事出来るじゃん!!”と思い長野に移住されたそう。ご自身も“クセのあるもの”がお好きらしく、そんな、“なかなか1人じゃ入れなさそうな所”を、森さんの柔らかい語りと優しさ溢れる案内で巡ってきました!
こういう機会でもないと知ることが出来なかったような場所は、どこもとても興味深く、各箇所それぞれの楽しみ方を味わえたまちあるきになりました♪♪
POPPHA Art Poster Shop
まず最初に訪れたのは、アートポスター屋、事務所、コワーキングスペース、たまり場を兼ねたイケてるスペース、POPPHA(ポッパ)。入口のGREENカラーの看板が目を惹きます。そうです、ここは案内人森さんのアートポスター屋さんの事務所です★
そしてこのビル実は、6月のまちあるき“つくる女性たち”の回でも訪れたビルでした!この界隈には、もしかしたら、そうしたオシャレなクリエーターさんたちが集まっているのかもしれないですね!
扉を開けると、タイル張りがアクセントの白い壁と、入居初日にご自身で塗ったグレーの床に、入口の看板と同じGREENカラーの大きなソファが映えるめちゃめちゃオシャレな空間が広がっていました。実はまだ事務所内のレイアウトデザインは完成していなくて現在進行形で作成中だそうです。正面に置かれたガラスのスチール棚は、R-DEPOTさんで見つけたそうで、ショーケースの中は、「ジャングルみたいにして、宇宙船のようなものもぶら下げて…、ちょっとした世界観を作ろうかな…と考え中」とのこと。どんな世界が広がるのか、完成が楽しみ♪♪
また、統一されたGREENカラーの“レタスみたいな”ランプシェードは、レコードを熱で変形させ、GREENのスプレーで色付けしたオリジナル作品です!カッコイイ!!
作品を作る時は、飾って欲しい場所とかイメージとかそれぞれテーマを持って作るそうですが、例えば、
・仏教的な解釈が好きでそういった言葉をグラフィックに落し込んでみたり、
・お腹が空いてる時に作った作品と満腹の時に作った作品をアウトプットするとどのくらい違いが出るのかを想像しながら作ってみたり、
・砂漠、溶岩、パンの写真を加工して作った“食えないパン”から「0cal」とういう作品が生まれたり、
・人気のカフェうみなつ珈琲さんとの作品もあったり、
・散歩が好きな森さん、街中に落ちてる木の枝とかに鉄線が絡まっているところから作った作品、
・ガレージに飾って欲しくて作った作品、
・友達のデザイナーくんがこの場に来て切り抜いて作っていった作品「DAEN」、
などなど、とにかく発想がとても斬新でユニークでクールでアツいものばかりでした!
こちらは、戸狩温泉にあるメイプルハイムという民宿が新しくサウナ「BON Sauna」をOPENし、そのサウナ体験をグラフィック化しようと作られたポスター。
“アートポスター”って?→「映画のポスターとかを独自の解釈で自分のグラフィティに落とし込む。デザインをアウトプットしたくて。」と森さん。
普段デザインの仕事を受けていると、なかなか自分の好きなものを作れない。なので、自分たちで作りたいもの作って、どんどん飾っていって、なんなら購入もしてもらって、“こういうものを作ってほしい”と言われた時に作ってあげられる受け皿的な感じで。
“アート”っていうと結構高額いなってしまうけれど、日常にも簡単に“アート”を取り入れてほしいから、「手頃に購入できるアートポスター」という意識でやっています、と熱い思いを語ってくれました。
どこを切り取っても絵になるような、全てがアートな空間です。
こちらも、レコードを熱で変形させて作った小物置き。アメリカのDJのインスタでチラッと見えて作ってみたとのこと。面白いものがいっぱい!
ここは、新しい発想やアイディアが沢山詰まった場所。面白いもがいっぱいあって、創作意欲搔き立てられる楽しい空間でした。こういう機会がないとなかなか入れない場所かもしれませんが、「コワーキングスペース的な感じで無料で開放しようと思っているので、皆さん、コーヒー飲みに、音楽聞きに、気軽に遊びに来てください!」と森さん。みんなの“イケてるたまり場”になっている光景が浮かんできます。(*^_^*)
素敵な場所を発見することができました♪
近所の川
事務所をあとにし、駐車場の裏に出てみると、そこには、“いい感じ”の緑生い茂る川と遊歩道がありました。街中にこんなところがあったなんて、知らなかった…。森さんの言う通り、何も考えたくないときや、何か考えたいときに来たくなる場所。力強く流れる川の水の音を聞きながら心も体もリフレッシュして、「さあ、いこう!」と立ち上がれるパワースポットのような気がしました!ここはオススメ!!(*^_^*)
川の先まで来てみると、「八幡川(北八幡川・南八幡川)」とありました。
あ。先日のまちあるき「小さな空き家巡り」の回の時に巡った“鐘鋳川”と同じ“善光寺平用水”の一つか!
こうやってまちあるきをしていると、以前巡ったところとの繋がりも再発見できたりして、何だかワクワクします!これもまたまちあるきの楽しみだな、と感じました♪
まちあるき出発時は雨もパラついてましたが、まちあるきが始まるとなんと青空が!風もあり、夏の夕涼み散歩で次の“クセカルチャー”へ。
シーシャ場 en
まちあるきでは何度かお邪魔しているお馴染みのシーシャ場 en。前回は昨年12月にお邪魔しました。その時は奥のこたつに座ってみんなで寛ぎました(笑)が、今回はカウンター席で!その畳の部屋も、涼しげな夏仕様に模様替えされていて、夏休みに実家に帰ってきたような安心感を再び感じずにはいられません。思わず「ただいまー。」と言ってしまいそうです(*^_^*)
今日は“蕎麦ミルク”をいただきました!おそらくみんなだいすき“そば茶”の香ばしい香りと風味に、絶妙なバランスのミルク感!!「ちょっと香ばしい牛乳だと思って(^_^)」と言いながら出してくれたナカズさん。蕎麦ミルクは意外とファン多いんだよ、と仰ってましたが、意外どころか、絶対です!間違いないです!!ウマすぎます!!!延々に飲めます!!!!止められないウマさです!!!!!「やば。マジうま。」笑
また、蕎麦ミルクとゴハン食べに来なきゃ!笑
カウンター越しに、オススメのカルチャーの話や、ワークショップ、イベントの話、この災害級のような暑さに「昔は長野こんなに暑くなかったよねー」と盛り上がったり、みんなで色んな話で会話は絶えず、時間を忘れてまた、ついつい長居をしてしまいました笑
たまには、こういう“まったりまちあるき”も楽しいですね♪ひと味違った角度から、まちの魅力再発見です!
権堂アーケード、今年も、“七夕まつり”キラキラしてます(^_^)
やっぱり、長野に居たら、これ見なきゃね☆彡
GUEST HOUSE Pise
今コース“クセカルチャーさんぽ”のラストを飾るのは、GUEST HOUSE Pise。長野市で不思議な場所TOP of the TOPと語る森さん。中央通り沿いにあり、きっと一度は、「あぁ、あの外観のお店ね…。知ってはいるけど…」と思った人は多いのでは?と想像しますが、以前はアジアンチックな雑貨やアパレルなどを扱っているshopでした。今は、世界の美味しい料理が楽しめるカフェ&バーを併設したゲストハウスです!
SAMBO SAUN
そして、Piseの奥にある謎の扉を入ると、そこには異世界の空間広がる洞窟のようなサウナが!!今回、特別に中を見せていただくことができました!!
<洞窟のようなサウナ>
かまくらの様な形状でここにしかないサウナ。灯りも最小限にしており、整いに集中できます。Piseの内装に合わせて土で作ることで、断熱しつつ泥に蓄熱させることができ、サウナ内の温度湿度はバツグン!エストニアで体感したのと同じ、ウェットなサウナになってます。
<井戸から汲み上げた水風呂>
古民家の店内にある井戸から汲み上げた柔らかい水の水風呂。14℃程度と長く入れるちょうどいい温度です。100年以上昔から存在していた井戸の水がついに活躍しました!
屋上の外気浴スペースは絶好のロケーション!昼間に楽しむのも良し、仕事終わりや夜なら、門前周辺の淡い街の灯りと星空を眺めて整うも良し、極上のリラックスタイムを体験できることでしょう!!
善光寺表参道沿いに、こんな癒し空間があったとは…!大発見!!
1人だと入りづらいけど、こうやって入ってみれば、また一つまちの遊び方が広がりますね♪♪
案内人の森さんも、思わずゴロン。心地いい~(^_^)
SAMBO SAUNのロゴデザインは、森さんが手掛けています。
グッズも充実!普通に、めちゃ可愛い!SAMBO SAUNグッズを揃えてオシャレにレッツサウナ!
<サ飯もあるラウンジスペース>
ここはゲストハウスなのでそこでそのまま泊まます。ラウンジスペースでは、50カ国ほど旅したサンボさんが、旅の中で食べて美味しかったお料理はもちろん、季節によっては山で自ら鉄砲で捕ってきたジビエも食べれちゃいますよ!飲み物もそれに合わせる形でアルコールノンアルコール問わずたくさんあります。
すべてがこの施設で完結します!
ここでも、サンボさんを交えて、森さんの手掛けたお仕事の話や、移住きっかけの話、山の話、長野県の自然の話、猟師サンボさんの話…などなど、世界が広がる色んな話で盛り上がりました!
Piseでは、LONG STAY PLANもあるそうです。
移住体験・ビジネス・バム
15 DAYS | ¥39,000 (¥2,600 / DAY) |
20 DAYS | ¥45,000 (¥2,250 / DAY) |
30 DAYS | ¥54,000 (¥1,800 / DAY) |
こんな空間で時間を過ごせたら、きっと楽しいだろうなぁ、そんな光景が浮かんできました(^_^)
それぞれの場所へ向かう道中、あちこちで、案内人森さんのお知り合い(友達)の方とバッタリお会いし、ニコニコしながら「お疲れさま~!」なんてご挨拶されていて、森さんの人柄と、街と人との繋がりの素敵さも感じることができました。今回のまちあるきのおかげで、中心市街地の知らなかった新しい魅力を発見し、新しい出会い(作品・場所)、が沢山詰まったまちあるきでした!そして、ここからまた皆さんのまちの遊び方が広がり、新しい繋がりや、新しい世界が広がって、より街が賑やかになったら素敵だな、と感じました。
いやぁ~、楽しかったなぁ笑(*^_^*)
≪同行記録:宮島麻由子≫
小さな空き家巡り
2024年7月16日
7月13日(土)14:00~16:00
参加者:8人
【案内人】
安東 真生 《 あんどう まさき》(R-DEPOT マッチングガイド事業部)
信州大学建築学科卒。R-DEPOT社員として、善光寺門前で事業を始めようとする人のサポートをしている。建築が好きで空き家をかっこよく活用したい。趣味はカメラ。
【コース案内】
善光寺門前の小路を入って行くと、ポツポツと小さな空き家が現れてきます。こじんまりとしていて大きな事業をするには向かないかもしれないけれど、昔は豆腐屋だったり魚屋だったりお店が営まれていたようです。小さくて狭い、けれど豊かな空間を持つ空き家を紹介します。スリッパの持参をお願いします。
【コース】
楽茶れんが館
➡田町の元豆腐屋
一階には豆腐屋を営んでいた時の名残りが。表構えがすでにかっこいい。
➡田町の元寝装店舗
寝装展→タイ料理屋→アトリエ兼住居→学生団体拠点→空き状態とユニークな変遷を持つ建物。安東が1年住んでいた。
➡岩石町の元魚屋
隣はハンドメイド作家さんのアトリエ店舗があり、小さくも豊かな空間の先輩がお店を構えている。
➡大門町上堀小路の元下宿
善光寺七小路の一つである上堀小路の途中にある建物。昔はこの小路にも商店が並んでいたとか。
➡R-DEPOT
空き家の掲示板や相談出来る人が常駐しているので、気軽に話を聞ける。
7月13日(土)、株式会社R-DEPOT マッチングガイド事業部安東真生さんの「ながの門前まちあるき」を開催しました。今回の案内人安東さんは、普段株式会社R-DEPOTの社員として、“まちに引き継ぎたい建物の魅力を伝えながら、善光寺門前で事業を始めようとする人のサポートをし、建物やまちが人々と繋がる場を設ける”という素敵なお仕事をされています。大学も建築学科を卒業されていて、今回のコースはとても専門的な角度から、門前の小路にある空き家を巡る“小さな空き家巡り”です。
この、ながの門前まちあるきは、中心市街地活性化協議会が実施する“遊休不動産活用事業”の一環として行われているのですが、中心市街地には空き家や空き店舗が多くあります。長野市だけでもなんと8,000件はあるそうです!
今回のコースは、正にそういった遊休不動産を巡って、実際に触れることができる貴重な体験のまちあるきとなりました。
小さくて狭いけれど、お豆腐屋だったり魚屋だったり、かつての営みや豊かな空間を持つ空き家の雰囲気に触れたり、そのまちの歴史や名残を感じ、そんな“あの頃”に思いを馳せながらまちを歩けば、知らなかった新しい発見にも出会えます!懐かしさと発見がたくさん詰まったまちあるきでした(*^_^*)
まず最初は、楽茶れんが館の裏側駐車場に出ると見える建物から。善光寺周辺にはいくつか小路があり、そのうちの一つ“上堀小路”を入ってくると辿り着きます。
門前まちあるきでもお馴染み、人気のマリカブルーイングさん。クラフトビールといったらココ!ですね(^_^)こちらの建物も、「武井工芸店」の倉庫や木彫り教室などに使われてきた築40~50年の蔵風の建物をリノベーションしています。
大門町上堀小路の元下宿
今回のコース4番目の空き家は、この並びにある建物です。こちらは今回は外から拝見します。以前は、下宿として何名か住んでいたそうです。(※なお今回は、該当建物の写真掲載は控えさせていただきます。ご了承下さいませ。)
案内人の安東さんは建築学科を卒業されているので、「建物の構造や以前はどうやって使われていたのか」など気になって、「こっちが入口だったのかな?」とか想像しながら建物も見るのも楽しいそう。
かつては、この通りは、お米屋さん、歯医者など商店が並んでいたけれど、今はほとんど駐車場になってしまってもったいない。昔みたいに賑わったらいいね!と武井工芸店の店主さんは仰っていたそうです。このように、周りの方々も、空き家が活用されることを歓迎されているようです。
今回のコースには載っていませんが、道中には様々なスポットがあります。
こちらの建物は、門前のリノベーションを語る上では外せない「KANEMATSU」。善光寺界隈のリノベーションが盛んになった走りとも言えます。
岩石町の元魚屋
次に向かうのは、今回のコース3番目の物件。西宮神社東側の路地を入ったところにあり、隣にはハンドメイド作家さんのアトリエ店舗があります。(※なお今回は、該当建物の写真掲載は控えさせていただきます。ご了承下さいませ。)こちらは実際に中に入らせていただくことができました!中には、当時の家具や足踏みミシンも置いてあったり、「なぜここに小さな階段?」という不思議な箇所があったり…。
案内人安東さんの建築目線から見ると、昔からある建物だと恐らく下の階のお風呂とか無かっただろうから、必要な所を自分たちで増築し、足りない空間を付け足していったのでは?」とのこと。そしてここは、お隣も魚屋さんの長屋でした。「長屋は、天井の裏まで到達させた壁一枚でお隣と繋がっています。」という安東さんのプチ建築講座もとても興味深いです!
小さいけれど、当時の豊かな空間が目に浮かぶような懐かしさとレトロ可愛さが感じられる場所でした!
元魚屋を後にして路地を下っていくと染物店さんがあったりし、鐘鋳川にぶつかります。裾花川と接続する川です。この辺りは断層によって地形ができているため、高低差があります。この地形の高低差は、1年に1mmぐらい上にズレていって約2000年の時をかけて2mぐらいずれ上がってできた場所だそうです!その断層沿いに鐘鋳川が流れ、昔は川がとてもきれいだったので、染め物屋や醬油の工場など水に関わるお店があったそうです。(!だから坂の途中に染物店があったんですね!!)
そんな、町の歴史も知りながら歩き、途中にある(コースにはありませんが)“案内人安東さんが気になっている建物情報&プチ建築講座”も大好評!
これは“看板建築”という建築様式で、建築学生に人気の建築デザインです。笑
元々はお寿司屋さんで、おそらく、この辺りにも商店街があってお隣さんと密接に繋がっていたのではないかと想像するそうです。道路側の全面を看板のように仕上げる看板建築で、裏側は切妻屋根で普通の住宅だけれど、表の構えをきれいに整え立派なお店に見せる工夫がされ、その時代の大工さんもデザインにこだわって作っていたりする。「昔の、その商店の風景があるからこういう建築形式がある」、こういったところを活かして新たな店舗にリノベーションするのもおススメとのこと。さすが、プロの目線は違いますね!
因みに、「あいづや」さんは、先ほどの鐘鋳川の醬油工場だったところで、今は駐車場になっていますが、駐車場名を、そのまま残しているそうです。
黄色い看板が目印の「宮野屋」さんも、この鐘鋳川を境にして田町はかつて田んぼが広がっていたため、その脇で“農機具屋”を営まれていました。
さらに進むと水門に辿り着きます。鐘鋳堰です。北から鐘鋳川(かないがわ、鐘鋳堰=かないせぎ)、八幡川(八幡堰)、四ヶ郷用水などがあり、農水省の疎水百選にも選ばれています。長野市北部市街地を流れる善光寺平用水の一つ。
善光寺平用水は、市街地のほうが上流で、灌漑する農地が下流側にある珍しい用水形態で、この鐘鋳川は断層沿いに北側の傾斜に向かって流れているそうです。田町の田んぼに向かって流れる農業用の用水路で、反対に振り向けば、田町の農業の繫栄と豊作を願って稲荷神社にお参りに来る要の場所だったそうです。
普段何気なく通って目にしていた街の景色の、あいづやさんも宮野屋さんも鐘鋳川も水門なども、今回のコースには載っていませんが、次の目的地までの道中だけでも、かつての街並みと町の歴史に触れられる場所がこんなにあるんだという事を改めて気づかされました!
コースには載っていない“安東さんのプチ講座”はまだまだ続きます!こちらもリノベーションされたカフェと古着屋の人気のお店です。お互いの店主さんが同級生で、1階と2階にそれぞれお店を構えています。1階が定食ありのカフェ「ポルカドットカフェ」、2階が欧米のインポート古着が充実している「コンマ」。
この建物は半分に切られていますが、「道を拡幅する際にこうしたのか…」、「こんなにきれいに切れるものなのか…?」、「この技術どうですか?」、「棟が残されているから…」、など、今回参加者さんの中に大工さんもいらっしゃったので、こんなコアなトークも繰り広げられていて、他の皆さんも興味津々でした!
まだまだリノベーション物件もあります。こちらは、レザーアイテムほか、天然繊維で作る男女兼用の洋服や小物を販売している「インスワール」。2階が工房になっていて、1階で販売をしています。こちらも、“看板建築”です。80年ほど前に、ふたつの建物曳家でつなげた古民家ですが、注目ポイントは“看板”です!歴代営まれてきたお店の看板がそれぞれ残っていて、外観はいじらず中だけを整えて次へ次へと引き継がれてきました(建具工務店(YKKアルミサッシ)→コインランドリー→インスワール)。なので、お店が変わっても「ああ、あの建物ね!」という地域との信頼関係にも繋がっているそう。
なるほど!!納得です。
ここは今売地になってしまいましたが、以前は工務店の建物があって、それがまたカッコイイ建物だったそうで、「解体されてしまって悔しい…」と安東さん。
また、田んぼが広がっていた田町に道ができ始めると、建物も建ち始め、次第に建設業関係のお店や職人が住むまちになっていきました。なので、この辺りには、工務店、問屋、建具屋などの建物が残っています。
田町の元寝装店舗
ここまでたくさんのプチ講座とともにまちを歩いてきましたが、次の建物は、今回のコース2番目の物件。寝装屋→タイ料理→アトリエ兼住居→を経て、安東さんが学生の頃運営されていた学生団体の拠点かつ、ご自身も1年間3階に住んでいらっしゃった場所です。(※なお今回は、該当建物の写真掲載は控えさせていただきます。ご了承下さいませ。)こちらは実際に中に入らせていただくことができました!
1階は元々壁がなくガレージがあったこと、それを、アーティストの方が入居されてた時には、窓などを整えて外から作品が見えるようにして、壁もアーティストさんが何カ月もかけて白く塗り替え展示スペースに変化したこと、安東さんの学生団体の拠点だったころは、1階でフリーマーケットをし2階の畳のスペースでは“ジャズ研”を呼んでコンサートを開いたり、3階に住んでいた頃は権堂のアーケードが見える立地で、窓から見える景色と入ってくる風がとても気持ち良くて、楽しかった思い出をお話してくださいました。
そんな話を聞いていると、自然と、皆さんも、「こんなことやれそう」、「こういうことやってみたい」、など夢が広がるトークで楽しまれていました。中には、実際、ゲストハウスを事業継承して運営している方々も参加されていて、興味深くご覧になっていました!何か次に繋がるヒントや発見があると嬉しいですね。
本日最後の目的地に向かう道中、かつて、このエリアは、田町の中でも料亭エリアだったそうです。現役稼働している昔からの古い建物もあれば、振り返れば、料亭の姿がなくなってしまった風景もあり、また、駐車場になってしまった場所は芸子さんの待合所だったり、そういう風景のあったまちでした。時代とともに、すっかり変わってしまいました。
善光寺さんと、精進落としの花街として賑わい繁栄した時代に想いを寄せてみるのもいいかもしれません…。
田町の元豆腐屋
今回のコース1番目の物件で最後にお邪魔させていただいた建物です。(※なお今回は、該当建物の写真掲載は控えさせていただきます。ご了承下さいませ。)こちらも実際に中に入らせていただきました!
早川豆腐店さんで、他にも、以前は田町に4軒ほどお豆腐屋さんがあったとか。中には、当時のお豆腐を作る時の道具が残っていたり、こちらにも足踏みミシンがあったり、昔ながらの土壁だったり、ワクワク要素が詰まっていました!また、管理されている湯本さんにもご案内いただき、町の歴史や移り変わりなど貴重なお話も聞かせていただきました。最後に、「この建物の使い道、アイディアがあればぜひ!」という湯本さんの言葉が印象的でした。
空き家巡りを終え権堂アーケードに出ると、祇園祭前日とういこともあって、屋台とお囃子に遭遇し、賑やかでした♪
名物、権堂の七夕まつりも始まります!夏ですねぇ(*^_^*)
R-DEPOT
安東さんの職場でもあるR-DEPOT。大家さんに話を聞きに行き、町の歴史や建物の歴史を聞きながらその大家さんと関係性を築き、新しく使ってくれる人にその場所を紹介できれば、という思いで日々活動されている安東さん。ご自身も、色々なお店や好きな建物の部類を見て歩いたりされるそうなので、そういったところも共有できたらいいな、と今回案内をしてくださいました!
門前まちあるきではお馴染みの場所ですが、これまでは、どちらかというとコワーキングスペースとして訪れることが多かったので、いつもと違った角度からの訪れることが出来たのも、また新たな魅力発見です。
今回のまちあるきは、遊休不動産の空き家や空き店舗を活用している事例だけでなく、まだ活用できていな部分というところにも実際に触れることが出来、それと同時に、そのまちの歴史やその建物の歴史や背景など深いところまで知ることが出来たとても貴重なまちあるきになりました。
告知期間も短かった今回ですが、SNSや直前のNHKラジオを聞いて東京から参加されたり、古民家が大好きな方、古民家活用のお仕事をされてる方、移住を考えてる方、大工さんなどなど、沢山の方にご参加いただいたので、今回のまちあるきをきっかけに、町を調べてみたり、歩いてみたり、そしてまた新たなまちの魅力を発見していただいて、これからの皆さんの何かプラスに繋がる材料になってくれたらいいな!と思いました。
まちあるきの楽しさを再確認することができた気がします♪
≪同行記録:宮島麻由子≫
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